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まいど、"相場の福の神"こと藤本誠之です。この連載では、上場企業の経営者との面談から気づいた、藤本がすごいと思った、ユニークなビジネスモデルの企業をご紹介します。第13回は、「"FanTech" ワンストップソリューション」です。

今回ご紹介するのは、Fintechならぬ「FanTech(Fan×Technology)」分野でビジネスを展開するSKIYAKI(3995 東証マザーズ)です。TSUTAYAで有名なカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が親会社で、音楽アーティストのファンのためのワンストップソリューションを提供しています。

○ワンストップ・ソリューションプラットフォーム「SKIYAKI EXTRA」

オフィシャルサイト、ファンクラブ・ファンサイト、ECサイト、チケット先行販売を展開する上で必要な機能を単一の管理画面から更新可能なプラットフォームが「SKIYAKI EXTRA」です。

クラウドサーバ上で安定稼働する高トラフィックの人気アーティストサイトも多数運営しており、Google Analyticsと連携したリアルタイムのアクセス解析や、会員データ分析が可能となっています。

多くの会員を有し、高トラフィックが見込まれる有名アーティストから、まだ無名のアーティストまで、同じプラットフォームで高機能なサービスが提供されています。

○ストック型ビジネス

会員から集めたファンクラブの会費の一部がSKIYAKI社の取り分となります。音楽アーティストにとっても、ファンクラブの運営、ファングッズなどのネット通販(EC)、ライブ・コンサートなどのチケット販売をすべて任せることができます。

単独でシステム構築すれば莫大なコストがかかりますが、基本が収益をシェアするだけなので、ファンクラブの会員数が多い有名アーティストだけでなく、ある程度マニアックなアーティストなどでもファンクラブを運営することが可能です。

現在、引退するアーティストより、新規に増加するアーティストが多いため、SKIYAKIのプラットフォームを活用するアーティストは徐々に増加しています。ファンクラブの有料会員数は、2017年10月末現在で57万人となっており、右肩上がりで増加しています。この会員数の伸びに比例して、SKIYAKIの業績は上がります。また、会員数の増加・収益の増加に対して、コストのうち固定比率が高いため、徐々に利益率も上昇することが見込まれます。

○モノ消費からコト消費

音楽業界でも、モノ消費からコト消費への流れが進んでおり、音楽をCDやダウンロードで販売するモノ消費は頭打ちですが、コンサートやライブなどのコト消費が大きく増加しています。また、ファン向けのグッズ販売も、そのときだけの限定商品が多く、モノ消費というより、記念というコト消費だと考えられます。

ファンクラブ会員の最大の獲得策は、このコンサートやライブのファンクラブ会員限定の優先予約となっています。電子チケットの販売や、ファンクラブ会員限定グッズなどの販売のネット通販(EC)も行えるプラットフォームとなっています。また、ファンとのバスツアーやパーティーなどのイベント開催する旅行代理業も行っています。

○VRなどの研究開発・新規事業の創出 

同社は2017年11月16日に、VR映像をリアルタイムに再生できる「ライブ配信」と、後日再生できる「ビデオ配信」の2通りの楽しみ方を可能にした「SKIYAKI VR」の再生専用アプリをリリースしています。

「ライブ」では、リアルタイム配信されるVR映像で、ステージやメンバーの表情をじっくり楽しむことができ、会場でも味わえない新しいライブ体験をファンに提供しています。「ビデオ」では、撮影したVR映像を後日配信することで、これまでその日限りだったライブを、何度でも繰り返し見ることができます。これにより、席数が限定されていたコンサート・ライブなどを数多くのファンに届けることが可能になります。

同社は、ブロックチェーン技術を、エンターテインメント領域に活用することを研究しています。「SKIYAKI EXTRA」のプラットフォームでは、ファンクラブ入会、コンサート・ライブの参加、ファングッズの購入など、ファンのそのアーティストに対する熱量(熱い想い)を測定し可視化することができます。

この熱量の多い順にファンのランキング付け、一定以上の熱量のファンだけのコンサート・ライブの先行予約などを検討しているそうです。また、ブロックチェーン技術を活用すれば、この熱量の個人間やりとりが可能になるのです。

福の神の「ここがすごい」

世の中の消費が、モノ消費からコト消費に推移し、また、SNSの発達でいわゆる「インスタ映え」するものへの消費が拡大している。その両方を満たすのが、音楽アーティストなどのファンのライブやコンサートへの参加だ。そのファンと音楽アーティストなどを繋ぐプラットフォームを提供しているのが、SKIYAKIであり、現状のビジネスだけでも、安定的な高成長が期待可能となっている。

しかも、社員の約半数が技術スタッフであり、VRやブロックチェーン技術などの研究開発・新規事業の創出に注力している。SKIYAKIは、日本発の「FanTech」企業として、世界的企業となる可能性を秘めた企業と言えるだろう。

SKIYAKI (3995)東証マザーズ

■株式データ

株価 6,940円

単元株数 100株

予想PER(連)84.33倍

実績PBR(連) 33.51倍

予想配当利回り 無配

時価総額 約143億円

* 株価データは2017年12月29日終値ベース

* 本サイトで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する会社や会社のアナリストとしての意見や予測を表すものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資に当たっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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○藤本誠之

「相場の福の神」と呼ばれる財産ネット株式会社の企業調査部長。

年間200社を超える上場企業経営者とのミーティングを行い、個人投資家に真の成長企業を紹介している。「まいど!」のあいさつ、独特の明るい語り口で人気。日興證券、マネックス証券、カブドットコム証券、SBI証券などを経て、現在は、財産ネット株式会社の企業調査部長。ラジオNIKKEIで4本の看板番組を持ち、その他テレビ出演、新聞・雑誌への寄稿も多数。

日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジストAll About株式ガイド。

著書:『難しいことは嫌いでズボラでも 株で儲け続けるたった1つの方法』(SBクリエイティブ)など合計15冊