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NECは1月9日、英国のITサービス企業「Northgate Public Services」(本社:英国Hertfordshire州Hemel Hempstead、CEO:Stephen Callaghan、以下 NPS)を、4億7,500万ポンド(約713億円)で買収すると発表した。買収完了時期は1月末を予定している。

1969年設立のNPSは、英国を中心に公共分野向けのソフトウェア事業やサービス事業を展開し、英国とインドに約1,400名のソフトウェア技術者を有し、英国の全警察や中央政府、95%の地方政府と取引関係があるという。

特に警察業務、税徴収・社会保障給付、公営住宅管理の領域で強固な顧客基盤と共通業務プラットフォームを有している。

NECは海外でのセーフティ事業において、顔認証や指紋認証などの生体認証技術を活用し、AI(人工知能)技術を活用して公共機関の業務データから不正申請を迅速に検知するなど、効率・公平といった新たな価値を創出するソリューションの提供に注力しており、今回の買収により、バイオメトリクス、アナリティクス、世界展開力でシナジー効果を発揮し、デジタル先進国の英国で共通業務プラットフォームを基にした新たなセーフティソリューションを確立。法制度の似た英連邦(コモンウェルス)を中心に海外市場へ展開する。

NECの今回の買収には、英国というデジタル化先進国でのセーフティソリューションを、英連邦を中心とした海外市場に展開し、先進ソリューション・世界展開力を拡大する狙いがあり、2020年度には海外セーフティ事業において営業利益率5%以上、EBITDA率20%以上を目指している。

NECは今後、NPSと共同で両社の各種ソリューションや技術を組み合わせたセーフティソリューションを開発・提供。具体的には、警察業務や行政手続き時におけるNECの生体認証技術を活用した本人認証の強化・利便性向上、最先端AI技術群「NEC the WISE」を活用した社会保障の不正受給検知・給付漏れ防止、NECの顔認証や侵入検知・置き去り検知といった映像解析技術を活用した不審者や異常のリアルタイム検知などの実現に取り組むほか、英国以外の市場へのNPSの警察業務ソリューションや公営住宅管理ソリューションの販売も推進する。

NECは成長戦略の柱の一つとして、2017年度で1000億円の売り上げがあるセーフティ事業を強化していく方針で、今後も自社でのコア技術やソリューションの開発を推進すると共に、M&Aや協業を通じて新たな顧客基盤、デリバリリソース、コア技術、ビジネスモデルを獲得することで、セーフティ事業を中心に社会ソリューション事業の一層の拡大および収益性向上を目指す。NPSの買収はその第一弾だという。

NEC 代表取締役 執行役員社長 兼 CEO 新野隆氏は、今回の買収について、「セーフティ事業の拡大を成長の柱に位置づけ、利益率のともなったビジネスモデルをつくりあげていきたいと思っている。そのためには水平展開可能なプラットフォーム構築が鍵になる。これまでは顔認証などのバイオメトリクス基盤を提供してきたが、今後はこれにAIを組みあわせて、予測、傾向を分析することで、高度なセーフティのソリューションを提供していきたい。そして、行政領域にも幅を広げ、成長していきたい。英国はデジタル先進国で、ここでセーフティソリューションを確立することで、他の国にも展開できる。そのために、英国会社の買収を第一に選んだ。NPSの売り上げは3/4が政府系、1/4が警察系で、高い利益率を誇っている。NPSの共通業務のプラットフォームやデータプラットフォームに、NECの分析プットフォームを組み合わせることで、新たな価値を創造できる。海外に事業展開するためにセーフティ事業を中心に考えているが、NPSはいいプラットフォームといい顧客がおり、大きなシナジー効果が出ると考えた」

そして今後は、3%程度と利益率の低い個別SI型サービスから、水平展開可能なソフトウェア(プラットフォーム)を組み合わせた「ソフトウェア+サービス」にビジネスモデルを転換するという。

「NECはワンポイントのSI事業の比率が高い。これを広げていっても全体として上がっていかない。これまで、何とか利益率の高いプラットフォームビジネスに転換したいと思っていたが、そんな中で、今回の件はわれわれのビジネスを転換していく大きなきっかけになる。今後もパートナーリンクやMAを行って、グローバル展開を拡大していきたい」(新野氏)