高校サッカー選手権決勝で感じた、日本サッカーが抱える「3つの不安材料」
選手の問題というよりも、これは監督、指導者の問題だ。試合に勝ちたいなら1にも2にも、こだわるべき問題になる。Jリーグの写し絵を見せられているようだ。試合の流れが変わりやすい。終盤に逆転劇が多い。これはJリーグの特徴でもある。やってはいけないプレーを、肝心な場面で犯してしまう選手は多い。そして、その点にこだわりなく育っている選手が、高校サッカーにはひしめいている。
競り合いに弱いのだ。と言えば、ハリルホジッチの「デュエル」を想起する。日本人は体格で劣るので、ただでさえ分が悪い。それを五分に持ち込もうとすれば、身体の使い方は不可欠なテーマになる。日本人に欠けているのは、デュエルと言うより、ボールを奪われない身のこなし。もっと言えばキープ力だ。とりわけ前線でそれが発揮できる選手は将来有望だと言いたくなるが、全国高校サッカー選手権にそうしたタイプを見かけることはできなかった。それが5年後、10年後の日本を示したものだとすれば、気は重くなる。日本のサッカーに大した変化は起きないことになる。高校サッカー選手権は、日本サッカーの将来の縮図。だとすれば、無視できない大会になるのだ。
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スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。