2010年11月、広州アジア大会に出場した鈴木康大選手(提供・共同通信社)

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 日本カヌー連盟は9日、昨年9月のスプリント日本選手権でカヤックシングル(1人乗り)に出場した鈴木康大(32)=福島県協会=が、大会中にライバル選手の小松正治(25)=愛媛県協会=の飲み物に禁止薬物の筋肉増強剤メタンジエノンを混入させていたことを発表した。

 ともに昨年の世界選手権出場のトップ選手。小松はドーピング検査で陽性となり、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)から暫定資格停止処分を受けていたが、解除。鈴木は8年間の資格停止処分を科された。同連盟は鈴木を除名とする方針。20年東京五輪を目指す選手たちによって過去に例を見ないドーピングスキャンダルが巻き起こった。

 トップ選手によるライバル選手への妨害行為。インターネット上では全米を揺るがせた23年前のある事件を思い出す声が相次いだ。「ハーディングとケリガンみたい」「五輪のライバルといえば、ナンシー・ケリガンが襲撃されたのを思い出すな」-。

 1994年1月にリレハンメル五輪のフィギュアスケート代表を決める選考会となった全米選手権の会場で、有力候補のナンシー・ケリガンが何者かに殴打される事件が発生。ケリガンは膝を負傷し、選考会欠場に追い込まれた。その後の捜査により、ケリガンのライバルだったトーニャ・ハーディングの元夫が襲撃の容疑者として逮捕。同選考会で優勝し、五輪出場権を獲得していたハーディングに疑惑の目が向けられ、一大スキャンダルに発展した。特例により、五輪に出場したケリガンは銀メダルを獲得。ハーディングは五輪出場後、罪を認めた。

 世界のスポーツ史に残る“ナンシー・ケリガン襲撃事件”が人々の脳裏をよぎるほど、今回のショッキングな出来事となった。