「バンコクナイツ」の作り方

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2017年の話題の映画のひとつといえば『バンコクナイツ』でしょう。映画制作集団、空族による、タイの首都バンコクからメコン川を挟む国境の町ノンカイ、そしてラオスのバンビエンと東南アジアを無尽にかけまわる180分をこえる超大作です。

映画はどのようにできた

そんな映画の原点ともいえる記述がうかがえるのが空族(富田克也・相澤虎之助)による『バンコクナイツ: 潜行一千里』(河出書房新社)です。映画の製作ノート、いわゆるプロダクションノートのようでいて、虚実いりまじった記述もあり、ひとつの小説、あるいはノンフィクションとしても読めるでしょう。さらに、物語の原点であるタイが娯楽大国となった背景には、ベトナム戦争における米軍へ娯楽を提供していたという経緯があることなど、歴史にも踏み込んだ記述がなされています。

チョッケツの思想

さらに本書で記されているのは「チョッケツ」という考え方です。ネットの時代、すでに作り手と消費者は媒介者をはさむことなくチョッケツしています。映画を作ろうと思ったならばネット動画ですぐに配信も可能であり、そこから金銭的な対価も得られます。そのチョッケツの思想が、映画における日本とアジアのチョッケツとして描かれます。何かを始めたいと思っている人はまず手にとってみて損はない本だといえるでしょう。