「たくさんの人たちのおかげでこのような個展を開くことができ、感謝の気持ちでいっぱいです」と西元氏

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今や日本を代表する新進気鋭の墨絵アーティストとして、国内外で注目されている西元祐貴。初の個展「龍のキセキ」が、福岡アジア美術館でいよいよその幕を開けた。

【写真を見る】下書きなどはもちろんなし。頭の中のイメージだけが頼りだが、その場の雰囲気やインスピレーションで、当初のイメージとは全く違うものなることもあるそうだ

1月6日(土)の開催に先駆け福岡アジア美術館にて行われたオープンイベントでは、この個展のために準備された作品のお披露目とともに、昨年より制作を進めてきた30mにも及ぶ「巨大龍」の完成パフォーマンスが行われた。

この巨大龍は、昨年11月末、福岡ヤフオク!ドームで行われた公開制作で約80%の完成度まで進められていたもので、この日、巨大龍の最後の仕上げである頭部をライブで描き上げるという演出だった。

この日のパフォーマンスもまさに圧巻の一言。かつては福岡の路上パフォーマンスで腕を磨いただけあり、一発勝負のライブこそ西元氏の原点であり、真骨頂。迷いも淀みもなく、時に豪胆に、時に繊細に筆を操り、見る者を魅了。最後の一筆を終えると、見守ったギャラリーからは拍手喝采。龍に命が吹き込まれた瞬間に立ち会えた感動が会場を包んでいた。

今回の個展では、巨大龍のほか、氏の得意とするアスリートや武将、女性などを描いた約100作品を展示。圧倒的な躍動感と力感にあふれた作品の数々は、墨絵という静止画のなかにまざまざと「動」を描き切る氏の実力を如何なく発揮したものばかり。またテーマに沿った展示だけでなく、プロジェクションマッピングや最新のデジタル技術を応用した演出もなされており、年代を問わず、氏の作品の魅力に触れることができるだろう。

個展「西元祐貴 〜龍のキセキ〜」は2月11日(日)まで。今まさに飛翔せんとする龍の息吹を、福岡市アジア美術館で体感しよう。

■ 西元祐貴プロフィール

鹿児島県出身、福岡県在住の29歳。路上でのライブパフォーマンスで活動を開始し、2012年より本格的に活動の場を広げる。テレビ、雑誌ほか各メディアへの出演、作品提供に加え、舞台芸術や人気ゲームソフト、スポーツ、寺院、教育などさまざまなコンテンツシーンとコラボレーションし、全国的な知名度を得る。現在はその実力を世界からも高く評価され、日本を代表する新進気鋭のアーティストの1人として注目されている。

【代表作品(2014〜2016)】カプコンの人気ゲーム「戦国BASARA4」作品提供 / NHK総合「news watch9」番組オープニングCGに墨絵提供 / 福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手、松田宣浩選手との墨絵コラボTシャツ / 大分県佐伯市の創建500年の禅寺「正定寺」(しょうじょうじ)襖絵 / 「ニューバランス(New Balance)」日本初のグローバルフラッグシップストア(原宿)の1Fメインレジ後部イラスト

【九州ウォーカー編集部/文=前田健志(パンフィールド)/撮影=鍋田広一】(九州ウォーカー・前田健志(パンフィールド))