【安倍政権への追い風は今年も吹くのか】森友・加計学園問題がありながらも、盤石だった安倍政権。神通力は今年も通用するか。写真:産経新聞社

写真拡大

 ’17年は自民党が大敗した7月の都議会議員選挙、逆に大勝した10月の衆議院総選挙と政治の風が吹き荒れた政局の年だった。

◆選挙後にどうなっているのかまで見届けることが非常に大切

 その渦中にいたのが、都議会議員の音喜多駿氏。都議選では小池百合子都知事が率いる都民ファーストの会から出馬し、全候補者の中でトップの5万6376票を獲得し“小池旋風”の立役者となった。

 一方、総選挙の最中には、会派の言論統制を暴露して離脱し、小池氏が新たに立ち上げた希望の党が失速するきっかけの一つにもなった。

「’17年は大きな政治の風が吹いた、変化の年だったと言えます。それが、いい変化だったかはまだ結論づけられませんが、’18年は国政選挙がないので議論の年になるはずです。憲法改正論議も本格化しており、選挙では教育無償化がホットイシューになりました。しかし、その財源となる消費税は、本来は破綻が懸念される年金など社会保障費全般に充てられるはずのものでした。一度すべてを棚卸して、落ち着いて議論すべきです。だからこそ、有権者は投票した議員の行動を注視しなければなりません」

 これまでも大きな政治の風が吹いた後は、“チルドレン”と呼ばれる大量の新人議員が生み出されてきた。その風の強みも恐ろしさも目の当たりにしてきた同氏だが、「有権者の変化への期待の表れですし、風が吹かなければ既存の政党が勝ち続けるだけです。政治家は風を利用して、その勢いで社会を変えていくべき。また有権者も、大きな風が吹かないと政治に飽きてしまい、投票に行かなくなってしまう」と風の重要性を訴える。

 しかし、政治家の耳障りのいい言葉に踊らされて終わりでは、有権者はたまったものではない。

「まったくその通りです。希望の党、都民ファーストへの風向きが変わったのは、言っていることとやっていることが違うという実態が分かったからです。その一部は私が公開したわけですが、選挙後にどうなっているのかまで見届けることが非常に大切です」

 また、近年は暴言や不倫など議員の不祥事が相次いでいるが……

「政党が選挙に勝てる人間を候補に立てるからです。やはり他人を押しのけてでも上にいこうとする野心がある人の方が選挙に強いから、質が悪い人が多くなってしまう。さらに当選後は周囲から『先生』と呼ばれ、自分は別格なんだと歪んでいく。その世界に染まりきっている二世、三世の議員も多いので、世間からずれている人ばかりになってしまう」と指摘する。

◆ダメ議員に投票しないためのチェックポイントは?

 そして同氏は、政治家が勘違いに陥らないためにも、情報公開を徹底すべきだと主張する。

「議会という箱の中だけに引きこもらず、考えをしっかり発信していけば、価値観がずれていることを容赦なく指摘されるはずです。私は365日ブログを更新して情報発信していますが、寄せられるコメントは賛否とも拝見して、民意を敏感に感じようとしています。公用車を使わない主義なので、都庁まで電車で通っていますが、ツイッターで『いま音喜多が電車の中でパソコンを開いている』とつぶやかれることもあり、見られているという緊張感を常に持っています。また、日本では支援者だけに囲まれた後援会しか持っていない政治家が多いですが、海外のようにお金をかけてでも自らのシンクタンクや政策チームを持つべきです」

 とはいえ、自ら襟を正せないような政治家に投票してしまうのを回避する方法はないものなのか。

「小失敗だと思うしかないですね。選挙はとりあえずの民意の結論を出すものです。だからこそ、失敗や間違いを訂正できるように、一定の期間を置いたらまた選挙があるわけです。大きくは変わらないが、独裁などの大失敗もさせない。三歩進んで二歩下がるのが民主主義というシステムです」と一定のあきらめも必要だと説明する。

「だからこそ、ダメな議員は次の選挙で必ず落とさなければならない。自分が投票した議員は、AKB48でいうところの“推しメン”みたいなもの。誰に入れたかくらいは覚えていて、行動をチェックすべき。そして政治家は、それに応えるべく自分の考えを情報発信し続けるべきなのです」

<取材・文/中野 龍>

【音喜多駿氏】
都議会議員。ビジネスマンを経て、現在2期目。ブログを365日更新するブロガー議員として注目される。新著に『東京都の闇を暴く』