年末年始の休暇中、国内外ともに新製品や企業戦略に関わる発表は減少するのが通例だが、今年は製品の品質に関する話題が大きく報じられ、大いに気をもんだ人も多かったのではないだろうか。

 まず、インテル製をはじめとする最近のアーキテクチャを採用した主要なCPUに内在する脆弱性が明らかになったことである。技術的な詳細は下に示すニュースソースに譲るが、すでに、オペレーティングシステムなどではバージョンアップやパッチの配布などによる緩和策としての対応が進められているようである。しかし、CPUの演算を高速化するための極めて基本的な技術手法が焦点となっていることから、しばらくこの問題は続くのではないだろうか。さらに、厄介なのはこうしたソフトウエア的な対応では、CPUの処理速度の低下をもたらすのではないかとも指摘されている点である。いまのところ、(ベンチマークテストだけでは測れないような)実際の用途による処理速度やユーザーの体感速度などの観点で、どの程度の影響があるのかについては諸説あるようで、定まった見解はなさそうだ。そして、一層深刻なのは、対象となるハードウエアの全てがこうしたソフトウエア的な緩和策を即座に実施するとは考えられず、未対処のハードウエアを狙った悪意のある攻撃も今後は行われる危険がある。この件に関しては最新情報に留意すべきだろう。

 そして、もう一つ年末の話題をにぎわしたのがiPhoneのバッテリーの劣化に伴う性能抑制についての話題である。アップル社はこの事実を認めたが、「バッテリーの性能低下に伴う性能抑制は、あくまでもバッテリー劣化により突然、シャットダウンをしてしまうようなトラブルを未然に防止するためで、意図的に製品を陳腐化させて新型機への買い替えを促すことを目的としてはいない」としている。その上で、対象機種については劣化したバッテリーをこれまでよりも安価に交換するなどの対応を発表した。しかし、こうしたアップルの説明、設計方針にはいまだに納得のいかないユーザーも少なくはないようだ。

 昨年末、日本の大手企業による金属素材の製造や自動車出荷前点検での不正による質的問題が露呈したことは記憶に新しい。これらの事件に共通することは、原因が意図的であったにしろ、そうでなかったにしろ、結果的に問題の波及する範囲が広いことと、それに対する対応が国際的企業といえども極めて困難になりつつあることだ。夢とロマンにあふれる攻めの技術だけでなく、品質担保と問題対処の技術や手法はさらに重要になろう。一方で、それを優先するあまり、技術進歩がつまらないものになるのは本末転倒だ。2018年もAI、VR、IoT、ワイヤレス、モバイル、xTechなど、情報通信技術の革新の波はさらに大きくなることは確実とみられるだけに、質的担保、質的信頼という大きな課題が突きつけられた。

ニュースソース

「CPUに深刻なバグ」報道にIntel反論――OSに内在する欠陥で他社製チップにも同様の影響[TechCrunch日本版] GoogleのProject ZeroチームはCPUの重要な欠陥を昨年発見していた[TechCrunch日本版] プロセッサ脆弱性「Meltdown」と「Spectre」のまとめサイト開設[ITmedia] Apple、アップデートによる旧型iPhoneの性能抑制について起訴される[PC Watch] Apple、旧型iPhoneの意図的減速について正式謝罪 バッテリー交換費値下げへ[ITmedia]

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