厚生労働省が12月13日に公表した2015年の都道府県別平均寿命によると、日本一短命の県が前回調査(2010年)に引き続き今回も青森で、男性(78.67歳)、女性(85.93歳)と、男女ともにワースト1を記録した。
 この調査は、5年に一度、国勢調査などを元に作られるもので、公表は今回が11回目。男性では過去5回連続1位だった長野県男性が2位(81.75歳)に下がったが、女性は首位を堅持した(87.67歳)。そして、男性で長野に代わり初のトップに輝いたのが滋賀(81.78歳)だった。理由には、喫煙者や糖尿病での死亡割合が少なかったことが挙げられている。

 青森の平均寿命はなぜ全国に比べて低いのか。同県広報課も認める最大の要因は「食塩の摂取量が多い」ということだ。
 「カップラーメンなどを利用しすぎる生活が続き、塩分の適量ゾーンを軽くオーバーしていることが挙げられます(成人で1日平均11.3グラム='16年厚労省データ)。それに運動不足、喫煙、飲酒派が多いことも原因になっている。もちろん、県では6年前から『健康寿命アップ』の基本施策として取り組んでいるし、'11年には『がん・生活習慣病対策課』を新設し、市町村での対策事業も進めています。この成果が、まだ極端に数字には表れていない状態です」(地元記者)

 青森県がん医療検討委員会関係者は、「診察の質は他県に劣っていないが、なにしろ検診受診率の低さなどの指標はことごとく悪く、平均寿命を大きく引き下げ、早死につながっている。県民に健康に対する考え方を持たせる施策が弱い」と語っている。
 ただし、ランキングは最下位ではあるものの、平均寿命自体は徐々に上がりつつあり、男性では伸び幅が1・39歳で全国3位となっているため、明るい兆しは見える。

 ある青森県人は、「昔からしょっぱい物が好き」と言い、苦笑いする。
 「青森は寒いでしょ。だから大人はよく酒を飲みます。娯楽はもっぱらパチンコだから喫煙もするしね。酒を飲むからツマミもしょっぱいものが多く、味噌大根などは私も含めみんな大好物です。確かに、そうしたことが、生活習慣病にもつながってしまう」

 塩分は、将来の高血圧や心臓病、がんなどのリスクがあるため“必要悪の調味料”として見られがちだが、一方で、人間が生きていく上で欠かすことができない重要なものでもある。摂りすぎると危うい事態に陥る塩分とどう付き合えばいいのか。
 厚労省が掲げる国民1人当たりの食塩摂取目標は、成人男性で「1日10グラム未満」。つまり小さじ2杯弱に留めようというわけだが、これで1日3食分をまかなえるのか。普通に考えても懐疑的にならざるをえない。

 生活習慣の改善運動に取り組んでいる管理栄養士の前田和美氏に、普段、何げなく食べている食品にどれくらいの塩分が含まれているのか聞いてみた。
 「日本の料理は醤油、味噌、食塩などを使う食文化が色濃くあります。加えて、ファーストフード、スナック菓子なども多くなり、日本人の1日当たりの塩分の摂取量は、実際のところ、およそ10〜13グラムと言われています。欧米は5〜7グラム程度ですから、いかに多く摂っているか分かると思います。できれば欧米レベルが理想的で、国も10グラム以内に抑えることを提言していますが、それができそうでできないのが、現況でもあります」

 前田氏は時折、地元スーパーなどを訪れ、惣菜売り場などの商品を手に取り、裏側に添付されたラベルを調べることがあるという。その中の一つ、「明太子おにぎり」には「ナトリウム630グラム」と記されてあったが、肝心の食塩含有量の記述がない。
 「他の照り焼きそぼろ弁当にしても、容器の底のシールに“ナトリウム1420グラム”とありますが、塩分の表示はなかったんです」(同)