重量4kg以上の東急の社史

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 退屈すぎて社員にすら読まれていない──会社の歴史が書かれた「社史」のイメージは見事に覆される。社史編纂に会社を挙げて取り組み、見応え、読み応えのある社史を作った企業がいくつも存在するのだ。

 日本最大の社史コレクションを誇る神奈川県立川崎図書館所蔵の「見て刺激的、触って興奮」の“ビジュアル系社史”を紹介する。

 川崎図書館所蔵の社史で最も重いのが『東京急行電鉄50年史』。重量は4.64kg、厚さは7.7cmで、とても片手では持ちきれないほどである。私鉄トップ、年間11億人以上の乗客を乗せる“重み”を感じさせる。

 1999年に刊行されたワコールの社史はとにかく華やか。女性の社会進出と社会情勢、ファッションには深く関わりがあるところから時勢を反映したつくりとなっており、中にはパルコのヌードポスター(1975年)やマドンナの写真なども載っている。

 帝国ホテルの『帝国ホテルの120年』には、戦前、戦後の帝国ホテルの建物だけでなく、女優のマリリン・モンロー、ロバート・ケネディ(元米司法長官)、映画俳優のアラン・ドロンら宿泊したVIPがくつろぐ写真が収められている。

 東京駅・丸の内駅舎内にある東京ステーションホテルの100年史『東京ステーションホテルのあゆみ』は、関東大震災などの歴史を写真で振り返り、宿泊した江戸川乱歩など文豪に加え東郷平八郎らの顔もずらりと並ぶ、名門ホテルとしての歴史を感じさせる1冊。

 江戸時代からの三井の歴史を綴った『三井事業史』(2001年最終巻刊)は本編・資料編合わせて全10冊に上る。江戸時代前期に創業した「越後屋」の時代から始まるグループ企業のルーツを横断的に描き、本編の最終巻(本編第三巻下)には戦後の三井財閥解体について記されている。NHK朝ドラのモデルになった三井家出身の広岡浅子の実家や兄弟も登場する。

※週刊ポスト2018年1月12・19日号