マツダの小飼社長と次世代エンジン「スカイアクティブ-X」

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 日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽協)がまとめた2017年の新車販売台数は、前年比5・3%増の523万4166台となり、2年ぶりに500万台を回復した。前年を上回ったのは3年ぶり。登録車、軽自動車ともに前年超えとなった。ただ、日産自動車とSUBARU(スバル)で発覚した無資格者による完成車検査問題が要因となり、17年10―12月期の登録車は前年同期比3・7%減となるなど、18年1月以降の不安材料も残る。

 登録車は同4・5%増の339万824台で、2年連続で増加した。300万台を超えたのは6年連続。自販連は、「14年の消費増税前の水準に戻ってきた」と話す。乗用車は同5・1%増の294万3010台、貨物車は同1・0%増の43万2221台、バスは同0・6%増の1万5593台だった。

 軽自動車は同6・8%増の184万3342台で、3年ぶりにプラスとなった。15年の軽増税の影響による反動減で16年は前年比9・0%減の172万台だったが、17年は2年ぶりに180万台を超えた。ブランド別では、16年に燃費不正問題があった三菱自動車と、同社からOEM(相手先ブランド)供給を受ける日産は2ケタの増加率となった。

 18年は本格的な次世代車投入に向けた過渡期の年になるだろう。マツダの小飼雅道社長は現行の「スカイアクティブ」技術搭載車に次ぐ次世代商品を、「年内に国内工場で量産を開始する」ことを明らかにした。

 小飼社長は次世代商品について「現在生産工場や開発部門、取引先が一体となって、最後の作り込みを必死でやっている。今のところ順調に進んでいる」と説明。その上で今年は、昨年発売した「CX―5」「CX―8」の販売を上向かせることで、「ヒットを続けて(次世代商品という)クリーンナップにつなぐ年にしたい」という。

 トヨタ自動車は2030年に同社の世界販売全体の約半分にあたる550万台の電動車を販売する目標に向け、電動車両の商品拡大と生産体制構築を急ぐ。2020年にも高級車ブランド「レクサス」の小型車「CT」ベースの電気自動車(EV)と、スポーツ多目的車(SUV)「RAV4」ベースのプラグインハイブリッド車(PHV)の生産を始める。その先にはマツダなどと立ち上げた合弁会社で開発する新型EVの量産も控える。

日産、スバルのイメージ回復どこまで
 無資格検査問題が発覚した日産自動車とSUBARU(スバル)。12月の全新車販売は前年同月比0・8%減の39万4254台で、3カ月連続で減少した。自販連は「日産とスバルの台数減の影響が大きかった」という。

 両社のブランドイメージの悪化は避けられそうにない。燃費測定値の書き換え疑惑も出てきたスバルは、足元の国内受注が16年秋に発売した「インプレッサ」の反動減との見方もあるが、前年比3割減となっている。

 日産の17年度の国内生産台数は、最大8万台程度減る見通しだ。従来は107万4000台を見込んでいたが、2年ぶりに100万台を割る可能性がある。販売への影響が長引けば、生産台数はさらに落ち込む恐れもある。

 一方で昨年10月に日本に先行投入した新型「リーフ」は完成検査問題の影響が懸念されたものの、発売後約2カ月で1万2000台と出だしは好調だ。

 同社では将来の車作りのビジョンとして、電動化や知能化の技術で構成する「日産インテリジェント・モビリティ」を掲げている。新型リーフは電動化や知能化など当社の最先端技術を兼ね備えた唯一の車であり、ビジョンを体現した最初の車とも位置づけているだけに、イメージ回復の切り札にしたいところ。

 スバルは20年度をめどにディーゼルエンジン車の生産と販売から撤退することを決めた。開発資源を電動化技術など次世代分野に振り向ける。

進化する「軽」
 一方、国内新車販売で軽自動車人気が復調の兆しを見せている。軽は14年度以降の消費税と軽自動車税の増税の影響で苦戦が続いていたが、ようやく回復基調に入った。軽の競走軸は、「広さ」などに加え「安全性」も重要視され始めている。

 軽の好調の要因としては、増税前の先食い需要の反動減がなくなったことが大きい。一方で、新型車も好調だ。販売トップだったホンダの軽「N―BOX」は、昨年9月の全面改良により今後もリニューアル効果が期待される。

 スズキは、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などの安全技術を今後、全車種に展開する。第1弾として、昨年12月に発売した新型「スペーシア」に軽自動車初の誤発進による後方の自動ブレーキシステムなど、先進の安全技術を搭載した。

 デンソーが「スペーシア」に供給したヘッドアップディスプレー(HUD)は軽自動車向けに初めて開発したもの。従来は搭載性やコストが課題で、採用は高級車を中心とした一部の車種に限られていたHUD。部品点数の削減などにより軽自動車の限られたインパネスペースに搭載できる仕様にした。

 日本の独自規格として生まれた軽が、現在の走行性能や安全性能を獲得するまでにはずいぶん年月を要した。スズキの鈴木修会長は「軽は限られたスペースを上手に使ってデザイン、性能、技術で魅了する芸術品」と胸を張る。