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 キヤノンは4日、東芝メディカルシステムズの社名をキヤノンメディカルシステムズに変更すると発表した。

 東芝メディカルは、コンピューター断層撮影装置(CT)システムにおいて国内で圧倒的な首位にあり、他のX線診断システムなどをふくめた医療機器の製造販売国内1位であったが、東芝の事業再編のため昨年12月にキヤノンによって買収された。

 キヤノンはX線高速動画センサーなどの優れた医療技術をもっており、買収した東芝の研究開発力と融合することにより、新規事業としてヘルスケア事業の強化を目指している。

 カメラから出発し、コピー、レーザープリンターなどのオフィス事業、半導体露光装置などの産業機器事業を育て、カメラ、複写機などが成熟期を迎える中、新規事業に進出して戦略的大転換を図ろうとするキヤノンの動きを見ていこう。

■前期(2016年12月期)実績

 売上高は3兆4,015億円(前年比89%)、営業利益は前年に比較して大幅減となる1,263億円減の2,289億円(同74%)であった。

 営業利益は、海外比率79%の中急激な円高(1ドル121円->109円、1ユーロ134円->120円)による1,018億円減と複写機、プリンターのオフィス事業の伸び悩みが大きく影響した。

■今期(2017年12月期)見通し

 第3四半期(1-9月)までの好調な実績を受けて、予想を2度上方修正しており、売上高は前年よりも6,785億円増の4兆800億円(同120%)、営業利益は1,211億円増の3,500億円(同153%)を見込んでいる。

 売上高が前年よりも増加する主な要因としては、東芝メディカルの買収によるメディカルシステム事業4,390億円、露光装置、有機EL蒸着装置の好調による産業機器事業1,430億円、プリンターの好調によるオフィス事業420億円、カメラ事業の好調によるイメージングシステム事業380億円などの増収である。

 営業利益も前年よりも大幅増益となる主な要因としては、前期よりもやや円安(1ドル112円、1ユーロ126円)による316億円、メディカルシステムズ事業220億円、各事業の好調な売上などである。

■中期計画による戦略的大転換の推進

 戦略的大転換を果たし新たなる成長に挑戦するため、M&Aや外部の技術や知識を取り入れるオープンイノベーションを活用しながら、次の施策を推進する。

 1.新規事業の強化拡大

 ・ヘルスケア〜CT、X線循環器、超音波診断、MRI各システムの臨床アプリの研究開発 ・商業印刷〜デジタル印刷、パッケージ印刷の拡大 ・ネットワークカメラ〜広域監視、マーケティングへの利用拡大 ・産業機器〜有機EL蒸着装置の大型化、スマホ向けナノインプリント半導体製造装置

 2.現行事業の徹底強化 ・シェア拡大〜レンズ交換式カメラ49%、レーザープリンター45%のシェアを新製品発売によりさらに拡大 ・自動化、内製化の拡大〜自動組立、キーパーツとコンポーネントの内製化

 新たなる成長に向けて、戦略的大転換を目指すキヤノンの動きから目が離せない。