3大会ぶりの優勝を決め、抱き合って喜ぶ(左から)宮部、林主将、曽我(撮影・佐藤徳昭)

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 バレーボール・全日本高校選手権最終日(8日、東京体育館)男女の決勝を行い、女子は金蘭会(大阪第1)が高校総体優勝の東九州龍谷(大分)にストレート勝ちして3大会ぶり2度目の優勝を果たした。攻守の要・林琴奈(3年)が両チーム最多の15得点を記録して優勝に貢献。最優秀選手賞に選ばれた。主将として、宮部愛芽世(あめぜ、1年)らスター軍団を統率し、過去2年連続で銅メダルに終わった悔しさを晴らした。

 控えめだった主将が、最後の最後でチームをまとめきった。金蘭会の林は、うれし涙で顔をくしゃくしゃにしながら胴上げされた。

 「先輩たちの思いもつなごうとやってきて、日本一になれてよかった」

 1年生だった前々回大会から2大会連続で準決勝敗退。自身3度目の正直で頂点に立っただけに、感激の面持ちだ。

 第1セットから気合が違った。2年生の西川有喜、1年生の宮部愛芽世(あめぜ)の両エースがマークされることを前提に、真ん中から相手のコートの空いた部分を狙って緩いボールを落としたりと相手を翻弄。守備でも71・7%と高いサーブレシーブ成功率で攻撃を支えた。先発の3年生は林だけ。若いチームを引っ張り、宮部の姉、藍梨を擁した2015年以来3大会ぶりの日本一に輝いた。

 前夜のミーティングで相手を分析。エース中川美柚(3年)にサーブを集めて攻撃をライトに絞り、西川と宮部がしっかりブロックする作戦を選手たちだけで決め、実行した。見事に奏功し、「けっこう理想の試合運びでした」と胸を張る。

 世界ユース代表に西川ら6人も選ばれるスター軍団。素材はピカイチだが、夏の高校総体はトーナメント初戦の2回戦で敗退した。「私を含め、力があると勘違いしていた」と池条義則監督(56)。総体後、代表組が世界ユース選手権出場のため招集される中、残った林はチームの立て直しに努めた。「あまりしゃべる方ではなく、性格的に引っ張るタイプじゃないが、コツコツと愚痴も言わず頑張ってくれた」と指揮官。

 今大会の1カ月ほど前からは、宮部から折に触れて「絶対に日本一になりましょう」と声を掛けられた。「うれしかった。愛芽世と一緒に出る最後の大会を楽しく終わりたいと思っていた」と背中を押されてきた。

 今春からはJTに入り、吉原知子監督(47)の下でさらに上を目指す。「全日本(日本代表)の内瀬戸(真実=イタリアリーグ・オルビア)さんみたいに、身長(1メートル73)が低くてもスパイクを工夫して、レシーブも拾う選手になりたい」。将来の夢を描いた。(只木信昭)

林 琴奈(はやし・ことな)

 1999(平成11)年11月13日生まれ、18歳。京都市山科区出身。小学2年でバレーを始め、金蘭会中では1年で全国中学選手権3位、2年で準優勝、3年で優勝。3年時のJOC杯全国都道府県対抗大会では大阪北選抜で8強。金蘭会高では1年、2年で3位。卒業後はJT入社予定。1メートル73、61キロ、最高到達点2メートル95。

金蘭会

 1905(明治38)年創立の私立女子校(生徒数約500人)。所在地は大阪市北区大淀南。バレー部は2007(平成19)年創部。春高は7年連続7度目の出場で、最高成績は優勝(15、18年大会)。部員数は27人。主なOGは須藤未央(パナソニック)ら。池条義則監督。