89年のバブルを超えてこないのは上場企業数が影響?

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史上最高値を更新しているNYダウ平均株価に対して日経平均株価は1989年の終値としての高値38,915円87銭にはまだ遠いという状況です。時価総額では日米ともに史上最高を更新していますので相場としては良いはずなのでなぜ?と思うところですが、時価総額=株価×上場株式数ですので、株価が米国ほど上がってこないのは上場株式数が時価総額以上に増えたからと考えられます。上場株式数の日米比較はデータの取得が難しいので、その代わりに日米の上場企業数について調べてみました。

図1は世界銀行のサイトに掲載されている日米の上場企業の時価総額(兆ドル)と上場企業数です。この期間、日本の時価総額が米国を上回っていたのは1989年だけで、米国との差は拡大する一方となっています。米国の株式市場には世界中の投資家から資金が集まっていることを示すものと言えるでしょう。

また、図1で上場企業数を見ると、日本の上場企業は増加傾向となっています。ちょっと意外なのは米国では上場企業は減少傾向にあることです。むしろ上場企業数が増えていないからこそ、上場企業の株式に資金が集まって株高を演出しているとも言えるかもしれません。

※2013年の日本の上場企業数が大幅に増えているのは東証と大証の現物市場統合によるものです。2012年以前の大証単独上場企業数は世界銀行のデータに含まれていないと思われます。

図2では時価総額を上場企業数で割って1企業当たりの時価総額を比較したものです。2016年で比較すると米国は6,315百ドル、日本は1,402百ドルとなっており、1989年と比べると米国は12.4倍の増加、日本は47%の減少となっています。米国株に比べて日本株の上値が重い理由の一つは、時価総額に比べて上場企業数が多いことが影響しているかもしれません。

米国の上場企業数が減少傾向にある理由としては、買収や合併、倒産などによる上場廃止が日本と比較して多いためと考えられます。1企業当たりの時価総額の大幅な増加からも上場企業が巨大化しているのも米国株市場の特徴と言えそうです。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。