セレボがCES 2018で新製品3種を発表。「黒の剣士の片手剣」に個人向け自販機など、ユニークな布陣
ユニークな家電や尖った趣味系アイテムをラインアップする家電メーカーCerevo(セレボ)が、CES 2018で展示する新製品3種を発表しました。

同社の代表的ジャンルの一つとなった高級スマートトイの新作となる、人気小説「ソードアート・オンライン」(SAO)の片手剣『エリュシデータ』に、AirBnBなどでの活用を見込む個人向け自動販売機、そして昨年の初公開から大きく発展したVR向け触感デバイス『Taclim』の3種類。

路線はそれぞれまったくと言って良いほど違いますが、同社のユニークなアイデアや技術が盛り込まれたラインアップです。

「黒の剣士」の使う剣はLED2000個以上(!!)を内蔵



▲専用アプリの画面。デザインももちろんSAOアニメ準拠です ©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

会場でもっとも注目を集めそうなのが、タイトル画像で紹介したスマートトイの新作『エリュシデータ』。発売は2018年夏、価格は未定ですが、現状での想定は6〜9万円前後です。




これは、小説からアニメとなった「ソードアート・オンライン」(SAO)に登場する同名片手剣の実寸モデル。実寸モデルのため、長さは1125mmとかなりの大柄。劇中第1部で主人公キリトが「黒の剣士」として主力としたアイテムです。

本製品は、同社のプロジェクト「S2R」(from Screen To the Real world)の流れを汲む製品。S2Rは「アニメやゲーム、映画などの作品中に登場するアイテムを、家電のテクノロジーを用いて現実世界に可能な限り再現する」シリーズで、第1弾は同社の名をアニメファンなどに広げた『ドミネーター』(アニメ「PSYCHO-PASS」に登場する特殊拳銃:下記記事参照)です。

【動画】ついに完成!アニメPSYCHO-PASS特殊拳銃ドミネーター。執行シーンはスマホで再現

特徴は、ドミネーターがそうであったように、劇中のギミックを再現すべく家電メーカーとしての技術を投入したこと。
たとえば劇中の特定シーンで光るギミックを再現するために、刀身部分などに2000個を超える高輝度LEDを搭載。またトイとしてのプレイバリューも、剣の動きを6軸センサーによって検出。剣の動きに合わせて刀身の光り方が変動し、アクションに合わせた効果音がスピーカーから鳴り響きます。

さらに劇中でのソードスキル(必殺技的なアクション)を再現すべく、音声認識機能も搭載。「スターバースト・ストリーム!!」の声を感知すると専用演出が開始され、刀身の光り方が劇中のモーションに追随するようなパターンとなり、効果音もそれに合わせたものに。劇中の高速連撃を楽しめます。

さらに専用スマートフォンアプリ(この画面も、劇中のステータス確認に合わせたデザインです)により、LED の色や明るさ、サウンドの割り当て、音量などの設定が可能。イベントなどに向け、サウンドの出力を本体スピーカーからスマートフォンへ切り替える機能も搭載します。

またLEDの発光パターンに関しては、刀身全体が光るだけでなく、鍔の部分から刃先に向かって光が流れる、といった演出も可能です。


基本的な仕様は上表のとおり。なお技術的には、同社が剣型スマートトイ用に新開発した共通プラットフォーム『BLADEM』(connected BLAde Development and Evalution Module)を応用した第1弾製品としても位置づけられます。BLADEMベースモデルは今後のシリーズ化を検討中とのこと。


誰でも無人販売ができる超小型自動販売機『Qvie』




2モデル目は、個人でも購入可能な超小型自動販売機『Qvie』(キューヴィー)です。発売は2018年夏頃。価格は未定ですが、現状での想定は3〜4万円前後。

これはAirBnBをはじめとする個人間シェアリングサービスやフリーマーケット、レンタルショーケース、さらには観光地における土産物などの販売において、取引のハードルを下げる機器として開発された製品。従来ありそうでなかった、個人でも導入できる自動販売機というユニークな発想のモデルです。



実際の商品は、商品を収容する「カーゴユニット」(上写真左)と、決済機能を備えた「ヘッドユニット」(上写真右)で構成される超小型のキャッシュレス自動販売機となります。決済はいわゆるQRコード系、またはNFCを使った電子マネーなどでの対応です。

なおカーゴユニットに冷蔵機能などは搭載されていませんが、それゆえにバッテリー駆動で長期間の運用が可能な点が特徴です。

購入者側の使い方は、スマートフォンで QR コードを読み取るか、NFC 対応のスマートフォンをかざすことで決済画面をスマートフォンに表示。決済が完了するとカーゴユニットが解錠され、中の商品を入手できます。

また販売者はドアの開閉時間や回数、売上金額といった販売状況をスマートフォンからリアルタイムに確認することが可能。自販機を導入したらかえって管理コストが上がってしまった......といった種のトラブルも低減できます。

ヘッドユニットは、製品説明や決済用バーコードなどを表示可能な電子ペーパーのディスプレイとNFCリーダー/ライター、そして3G/4G通信機能を搭載。さらにヘッドユニット、カーゴユニットともに大容量バッテリーを内蔵しているため、約1カ月間は充電不要で連続稼働が可能です。



また、1台のヘッドユニットに対して複数のカーゴユニットの接続も可能。さまざまな商品を同時に販売できます。



VR用触感デバイスが汎用性を高めてリニューアル


3モデル目はVR入出力デバイス『Taclim』。いわゆる触感(タクタイル、またはハプティクス)フィードバックに特化した製品で、視覚と聴覚を中心とするVR世界に触感を取り入れることを目的としたユニットです。
発売は 2018 年夏頃、価格は未定ですが、現時点での予想は基本セット(シューズ1足、通信ユニット1個、触感ユニット2個)で10〜15万円程度です。

実はこのモデル、2017年のCESで靴と手袋型デバイスとして一回発表したモデルの新バージョン(下記記事参照)。開発を進めるうちに変化し、また同社にフィードバックされたVR市場や開発者の声に応え、新たなコンセプトの製品としてリニューアルを行ったバージョンとなります。

今のVRに足りないのは、触感だ──「世界初」VRに触感を与える靴&手袋をCerevoが発表





2017年版では手で握る仕様だったグローブ(手袋)側ユニットは、装着することで触感をフィードバックするモジュール『Taclim Module』へと大幅な小型化をさせつつ変化。ハンドルやガンコントローラーが作れるように汎用性を大幅に拡大しています。

またシューズ側『Taclim Shoes』もデザインを大幅に見直すとともに、動き検出用として底面側に物理スイッチを搭載。2017年版より継承する6軸センサーと組み合わせることで、歩行認識の精度を大幅に改良したとアピールします。
また、かかと部分のパーツは交換可能な仕様に。HTCのViveトラッカーなど、他社製トラッキングデバイスとの併用が可能になり、こちらも汎用性を大幅に増しています。



基本的な仕様は上表のとおり。基本的な組み合わせは、シューズ1足と通信ユニット1個と触感ユニット2個という構成となります。

このように今回のセレボ新製品は、ジャンルも製品も、良い意味で「幅が広い」点が特徴。しかし発想としてはどれもユニークであり、またそれぞれ"刺さる人にはど真ん中"な製品と呼べるでしょう。