17年終盤に最も伸びたのが資源価格です。この商品価格の上昇は世界的好景気継続と株高を示唆しており、強い需要がインフレ率を押し上げるという一段と強い経済状況を18年は期待できると思います

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2017年末の商品価格の上昇が世界的好景気継続と株高を示唆

2017年12月中旬以降の世界の株価は概ね横這いとなりましたが、年終盤に最も伸びたのが資源価格です。原油価格はWTI原油は60ドル、ブレント原油は66ドルに乗せてきました。2015年半ば以来の高水準となります。原油の年間上昇率は12%程度ながら、終盤の伸びは強烈でした。

銅やアルミ価格も高値を取ってきている中、19種類の商品価格で構成されるCRB商品先物総合指数は、高値ラインを上にブレークして2017年を締めくくりました。週足で見ると、1年間続けてきたカップウィズハンドルの最終ハンドル部分を上にクリアしたばかりの「バイ・ポイント(株べきポイント)」になります。ここから一段高となる可能性を示唆します。同指数の構成比率で最も高いのは原油です。

先行する株価に対し、一歩遅れてモノの実需やその価格(=物価)は、これからヒートアップしていくところと思われます。2017年末に米国のエネルギー株が幾つもブレークアウトを果たし、ようやく資源関連銘柄に市場の注目も集まりだしたばかりですが、2005年の初め頃にも良く似た光景があった事を覚えています。

当時、原油などの資源価格が、世界景気の同時上昇によって上がりはじめ、その恩恵を受ける新興国の株価が後に「BRICs」として脚光を浴びる直前でした。原油価格や新興国株がピークをつけたのはその2年後の2007年でした。今回もまだ始まりに過ぎないと思います。

強い需要がインフレ率を押し上げるという、一段と強い経済状況を2018年は期待できる

ブラジルの鉄鉱石大手、ヴァーレ(VALE)の株価は1年で60%高でした。銅最大手の米フリーポート・マクモラン(FCX)株も同44%高、鉄鋼最大手のアルセロール・ミタル(MT)も47%高、中国の鉄鋼や石炭の大手も複数が50〜70%高となっており、日本の三井金属鉱業は2017年に122%高ともなりました。そして新興国市場の株式に広く連動を目指すETFは年間34%高で、ここ数年で初めて先進国株を圧倒しました。

資源のなどのモノの価格は、その名の通り物価上昇に直結します。先週米国の10年債利回りが8ベーシスポイント低下するなど、国債利回りは2年以上で一様に下がりました(価格は上昇)。しかし物価連動債の利回りはそれ以上に激しく低下しました。つまり物価連動債が買われている、将来の物価上昇を見込み買いが入った、ということになります。

債券利回り以上に物価連動債利回りが低下した結果、両者の差である米国のブレークイーブンレート(将来の物価変動率を示唆)は徐々に上昇してきており、10年債では1.976%にまで上昇しています。強い需要がインフレ率を押し上げるという、一段と強い経済状況を2018年は期待できると思います。なお、そうして最終的に米国の長期金利が上昇して来れば、日米の金利差は開く方向に動きますので、円安傾向となり、日本株の追い風になると思われます。
(文:戸松 信博)