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もくじ

ーアウディA2の基礎知識
ー考えるより走れ! 「アルミで作るスモールカー」
ーAUTOCAR記者の今の評価は?
ー「買い!」と思ったアナタに…… 最後のアドバイス

アウディA2の基礎知識

・英国導入期間:2000年〜2005年
・最高出力:74ps
・現在価格:600ポンド〜5000ポンド(9万〜77万円)

“走りの醍醐味” といえば、一般的にはパワフルなエンジン、優れたシャシーが不可欠。欲を言えば、そのふたつが両立したうえで得られるものだ。ただし、それだけが良いクルマのレシピとは限らない。

2000年から2005年。アウディA2は、ここイギリスで販売されたもののセールスは伸び悩んだ。製造コストは高く、運転好きなドライバーが振り向くモデルでもなく、あえて乗らなければならないクルマでもなかった。

それはA2がホットハッチとしてではなく、メルセデス・ベンツAクラスと同様のアプローチで市場に導入されたと考えれば、合点がいく。与えられたボディサイズを最大限に活かし、アップライトな外観と広いキャビンを実現。それゆえAクラスのように酷評を受けることはなかった。

A2とAクラスは、なにが異なっていたのだろうか? 一番の違いは、アウディが先進技術を投入したことだ。アルミを多用することで、車体を軽量に、しかも強靭に作ったのである。
 

考えるより走れ! 「アルミで作るスモールカー」

アルミの採用箇所は、パネルだけではない。メインストラクチャーもアルミ製の押出成形スペースフレームをベースにしている。スチール製のメインコンポーネントと言えば、フロントバンパー背後のバルクヘッドくらいだ。これによりスチールボディだった場合と比較して、40%は軽量になったという。

軽い車体と、優れた空気抵抗(今日の基準でも優秀なcd値=0.25)によって、A2の燃費は驚くべき水準だ。33.3km/ℓを正式に記録した初のクルマなのである。

ただし、それだけの環境性能を謳う1.2 TDIディーゼル搭載車は、イギリスには導入されなかった。仮に英国発売されたところで、1.4 TDIディーゼルとの価格差はわずかだし、税制上のメリットもなかった。
 

AUTOCAR記者の今の評価は?

A2の英国仕様は、1.4ℓディーゼル、1.4ℓガソリン、1.6ℓFSI直噴ガソリンというラインナップ。ボンネットはヒンジ式ではなく、整備時に取り外しが可能な作りで、フルード類はグリルから補充できる。撮影した車両は、1.6ℓFSI直噴ガソリン・エンジンが搭載されていた。

3カ月前に購入されたこの個体は、すでに2回整備に入っている。10万kmを走破したA2が英国には多数現存するのだから、警告灯の点灯くらい大目に見てやりたい。

後方視界、乗り心地、ステアリングの手応えはいずれも望ましいものではない。しかし、広くて質感の高いインテリアは、欠点を補って余りある魅力だ。

2005年にこのブランドが12億ポンドの損失を計上し、小型車市場から撤退すると発表した時、アウディが作るクルマに時代が追いついていないと評された。あれから10年以上経過した “今”、オールアルミ製スモールカーのマーケットは、単純に存在しないとも結論付けられる。
 

「買い!」と思ったアナタに…… 最後のアドバイス

購入時の注意点

アンチロールバーは腐食し損傷する可能性がある。アルミ構造のクルマだから、車体の凹みの修理代は高額。サスペンションの異音やガタつきにも注意。スペアタイヤはオプション設定だから、トランクルームのフロア下を目視して確認しよう。

ドアのヒンジ周りもひび割れが発生する。アウディが修復した可能性もあるが、要注意箇所としてチェック。

加えて一言 読者の皆さまに

当時のAUTOCARの評価は、A2の正当性について語っている。「不平不満はあるが、事実このクルマは素晴らしい。使い勝手は良く、インテリアはゴージャス。A2のエクステリアが好きな人には、フォード・フォーカスのライバルとなりえる。価格は受け入れ難いが、Aクラスの競合車なのだから、正当な水準とも言えるだろう」