JOLEDの有機ELディスプレー

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 JOLED(東京都千代田区、東入来信博社長)は、台湾のエイスース向けに印刷方式の21・6型4K有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)パネルのサンプル出荷を始めた。映像制作やグラフィックデザインなどに使うプロ用モニターに採用された。JOLEDの有機ELパネルが採用されるのは、ソニーの医療用モニターに次いで2社目となる。エイスースの「ProArt PQ22UC」に採用された。同社は9日から米ラスベガスで開かれる家電見本市「CES2018」で、この製品を披露する。

 JOLEDは現在、印刷式有機ELパネルの本格量産に向け、増資交渉をしている。今回エイスースへの採用が決まり供給先が広がったことで、量産実現の後押しとなりそうだ。

 「出荷の規模は小さいが、成長に向けた第一歩だ」。初の製品出荷を始めた昨年12月、JOLEDの田窪米治最高技術責任者(CTO)は万感がこもった表情をみせた。ここまで、有機ELパネルの事業化シナリオは計画通りに進んでいる。

JOLEDは石川県の拠点にある基板サイズ4・5世代(730ミリ×920ミリメートル)の製造ラインで、印刷式有機ELパネルの少量生産を始めた。生産能力は月2300枚。現在は2019年の本格量産を目指し、第三者割当増資の実施に向けて東入来信博社長ら経営幹部が奔走している最中だ。

 JOLEDは中型パネルは自社生産するが、大型サイズのパネル生産は技術供与型ビジネスで事業化する計画だ。ジャパンディスプレイが閉鎖する能美工場(石川県能美市)を量産工場に活用することを想定。同工場の5・5世代(1300ミリ×1500ミリメートル)ラインに対応することで、量産実績をつくるだけでなく基板の大型化対応への足がかりとしたいもくろみもある。

 「本当に技術優位性があるのか」「本命であるテレビなどを想定した基板の大型化に対応できるのか」―。出資を持ちかけられている装置メーカーの幹部は、事業性を判断するには情報が足りないと漏らす。世界初の印刷式有機ELパネルの製品化には成功したものの、それだけではまだ先行きが見通せないとの認識だ。