(写真)警察から話を聞く日本共産党の赤嶺政賢衆院議員(中央)と伊盛幸子うるま市議(左端)=6日夜、沖縄県うるま市与那城伊計島

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 沖縄県うるま市伊計島の砂浜に米軍普天間基地所属のUH1ヘリが不時着した現場では、7日も早朝から米兵がメインローターやプロペラを外す作業を続けました。

 ヘリを中心に2重の規制線が張られ、住民は外周規制線から中に入れません。県警は規制線を警護するだけで、事故機の調査や米軍乗組員への聞き取りという警察権の発動ができない状況でした。

農道ふさぐ米軍

 周辺では複数の米軍大型車両が道幅いっぱいに農道をふさいでいる状態。住民が自宅から車で移動できない事態が生じています。道路には解体したヘリの部品が並べられていました。

 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は6日午後7時と、7日午前9時半すぎに、外周規制線を越えヘリ近くまで行って調査しました。

 6日に入った時には米兵が工具でヘリをたたく音が響き、後ろのプロペラを取り外す作業をしていました。

 7日は、ヘリの周りにオイルフェンスを張り、機体内部に残ったオイルを抜く作業を行っていました。ヘリが波打ち際にあり、海を汚染する可能性があるためです。

 7日、赤嶺氏が携帯電話で中嶋浩一郎沖縄防衛局長に状況を聞くと「現場の米兵からも在沖縄海兵隊司令部からも情報がない」とのことでした。

 現場の海は子どもの遊び場であり、イザリ漁(引き潮時に水が引いた海底を歩いて行う漁)を行う場所。住民たちには衝撃が走りました。

「還暦祝い中に」

 60歳と58歳の夫妻もそうです。6日午後4時ごろ、自宅2階で夫の還暦の祝いをしている時にバリバリという大きな音に気づき、家族が一斉にベランダに出ました。

 見ると、異常な低さで飛ぶヘリが、機首を下げ、さらに高度を下げ続けていました。ふらついてもいました。

 男性は「あの時間帯はいつもイザリ漁に出ている時間帯。あの日はたまたま還暦祝いで行かなかった」。

 妻は「あの海は貝、タコ、魚を取って漁協に出荷している生活の糧。網ですくうと、スク(アイゴの稚魚)がたくさん取れる、私たちにとってかけがえのない海。米軍事故は死活問題です」。

昨年1月に続き

 伊計島では昨年1月20日にも米軍ヘリが不時着しました。

 伊計自治会の玉城正則区長は、ヘリが不時着した6日に緊急役員会を開き、早急に区民抗議集会を開くことを決めました。

 「不時着は2度目。昨年も防衛局にコースを変えてくれと言ったが、2、3日後には飛んでいた。辺野古新基地ができれば、今回以上に事故の確率は高くなる。犠牲者が出る前に、地元として抗議、意思表示しないといけない」と答えました。

 6日に現場を訪れた県基地対策課の金城典和課長は「県は昨年、宜野湾市での窓枠落下事故の際、全機種の緊急点検を求めた。そういう対応がなされていない結果がこうなったと考えている」と答えました。

 現場を調査した赤嶺衆院議員は「高江も名護市安部(あぶ)も、今回も、子どもの遊び場、生活の場に米軍が殴り込みをかけたような状況です。こういう事故が起きても政府が安全宣言を出すことが繰り返された。それが今度の事故につながった」と答えました。

飛行再開なら「命の保証ない」

稲嶺名護市長 抗議コメント

 沖縄県名護市の稲嶺ススム市長は6日、米海兵隊普天間基地所属のUH1ヘリが同日午後に、うるま市の伊計島に不時着した問題で「事故率が高くなったオスプレイだけではなく他の機種もひどいものだ」と述べ、日本政府が徹底した異常の検証なしに米軍の飛行再開を許すとすれば「ウチナーンチュ(沖縄県民)の命の保証はない」と語気を強めました。

 稲嶺市長は、続発する米軍機の事故、トラブルに歯止めがかからない状況について、日米地位協定の運用を協議する日米合同委員会で、米軍優先の協議に日本側はものを言えないことがまかり通っていると指摘。米軍基地の管理権を自国側がもつイタリアなどと比べ、日本の地位協定が極めて対米従属的な内容になっていることにもふれ「日本は全く主権国家、独立国家と言えない状況。沖縄で起こるということは他府県でも起こる可能性があるということだ」と語りました。