(c) 123rf

写真拡大

■順序生産は下請けなしには実現できない?

 「トヨタかんばん方式」は「多品種少量生産」だが、これが注文に対して最低の製品在庫、中間仕掛在庫、原材料在庫を実現する方策だった。しかし、一部にロット生産が残り、注文が入った順番に造り納品するシステムとは完全にはなっていないのだ。それを出来るだけ在庫量を減らすことのできる状態に近づける方式を実現すべく、日夜、努力が続けられている。これが順序生産だ。つまり資金効率の点から見ると、受注生産が最も好ましい。それを超えて、「予知生産」を実現すべく努力が続けられている。

【前回は】【トヨタよお前もか(上)】カルロス・ゴーンのグローバル発注は日本崩壊に繋がる?

 この順序生産などの中間在庫の削減は、「部品作りから組み立てまでの生産現場が繋がることで実現する」が、グローバル発注でロット納品される現場で実現できるとは、実戦を知るものとしては信じられない。どんなにサプライヤーが協力的でも、自社の効率を犠牲にするように見える生産方式を取り入れるであろうか?実施するとすれば、多数いる自動車メーカーが一斉に順序生産を実現する動きに出たときである。ロット生産になってしまう壁は、工程間を分離することで出来てしまう。

 系列を抱えることのメリットは、メーカーのラインと作業工程が一体化していることにある。サプライヤーの工程まで「工程結合」しているのだ。これが最大の強みであり、「中間在庫を極限」することでストックヤードを減らし、取り扱い設備・運搬人員・管理設備・人員を省くことだ出来る。「在庫は死に金」であることは明確で、少々部品の値段が安くても「管理資金」を加えると、競合できないほど差があるものだ。これを無視することは日本崩壊につながるかもしれない。

■下請けは日本経済を崩壊から救う

 日本企業の多くは中小企業だ。またその多くが下請けだ。ピラミッド型に編成された産業構造の中で、下請けを解体すると、多くの仕事が海外に流れる。東北に小型車の拠点を築きつつあるトヨタは、2,000の人雇用を生み出したと言われている。今後も増え続け東北の復興に貢献することになる。

 この下請けシステムを否定すると、日本経済の枠組みを壊すことになり、国内での生産にこだわる必要もなくなり、日産・ホンダのようにグローバル企業、つまり多国籍企業となり、アメリカのラストベルトを作り出す要因となる。日本崩壊につなげることなく日本経済を復興させたいのなら、ブームに踊らされていないで「下請けの利点と問題点を掘り下げる」ことが先決であろう。