中居正広、ナイナイと見せた“本気のエンターテインメント” 「72時間ホンネの旅」を振り返る

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 2018年1月2日、『めちゃ×2イケてるッ!中居&ナイナイ日本一周FINAL』(フジテレビ系)が放送され、「日本一周72時間ホンネの旅」と題して中居正広とナインティナインの3人が最後の旅に出た。1996年からスタートした「中居&ナイナイ日本一周」も『めちゃ×2イケてるッ!』が3月に放送終了するのに伴い、11回目となる今放送で最終回を迎える。今回は事前に中居からアンケートをとり、本当にやりたいことを叶えるべく、ナイナイの二人がツアーガイドとなって2泊3日で全国を旅した。

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■中居&ナイナイ「72時間ホンネの旅」FINAL 早朝から中居正広とKis-My-Ft2の北山宏光、二階堂高嗣がゴルフを楽しんでいたところにナインティナインの二人が登場。オープニングからドッキリをしかけられる形で11回目の旅がスタートした。企画も72時間、ナレーションでも「古い地図の方の3人」という言葉があり、冒頭から稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による「新しい地図」を彷彿とさせた。

 旅の始まりは北海道。今回もいつもどおりオープンカーに乗った3人の姿があった。「このオープンカー飽きてるからね」と呆れた様子で中居は言う。いまから21年前、当時、矢部浩之24歳、岡村隆史26歳、中居24歳の頃からオープンカーに乗ってはSMAPの曲を熱唱するのがお決まりだった。懐かしさもあれば、これが最後かと思うとこの21年間の重みを感じる。

 「ハンバーガーが超食べたい!(毎日可)」と書かれた中居の本音アンケートを元に、函館のご当地バーガー店「ラッキーピエロ」がスタンバイ。ハンバーガーやからあげなどのサイドメニューが並ぶ中、まずは温かいカレーに心惹かれた中居。ツッコミが入ると、中居は「ハンバーガーは超食べますけど、俺が今カレー食べたい、これがホンネだよ。ホンネテレビでしょ? 今日」と発言。矢部は「ホンネテレビ! 言いましたね?(笑)」、岡村も「72時間、ホンネの旅!」と二人から再びつっこまれてしまう。「お腹いっぱいにしたらあかん」という矢部の忠告を無視してカレーライスを頬張る中居。日本一周あるあるの一つ、厳しい時間管理もFINALだからか、今回はゆとりのあるスケジュールで、かなりグルメを堪能できていた。

 かつて、「めちゃイケなんか大嫌い!」、「バ……」といいかけたところでスカイダイビングをさせられたこともある中居。次の仕事に間に合わないからと、ヘリから地上に降りたこともあった。そして伝説として話題となった2004年放送のウォータースライダー。こんなにも体を張るアイドルがいただろうか。

ローションまみれ、カウコン乱入も! とにかく体を張る中居 今回もケチャップまみれになるわ、富士山に登るはずがスタジオでローションまみれになるわ、とFINALだろうが容赦ない。さらに、ブラックスカルに変装して『ジャニーズカウントダウン 2017-2018』に乱入と企画は続いた。

 スターなのに体を張る。『SMAP×SMAP』をはじめ昔からコントをしてきたものの、『めちゃイケ』メンバーとの共演では特に激しさを増していた。かつての旅では、デーモン閣下風メイクから、“変なおじさん”や“オバQ”などのコント衣装に身を包み、不満をもらしながらもナイナイの振りでスイッチオン。“変なおじさん”の格好をしていてもキレッキレのダンスでキャラクターを自分のものにして見せてくれた。ダンスで笑いをとりながらも魅了する、何をしてもどんな衣装でもカッコいいのが中居だ。

 「俺は少年隊みたいになりたかったんだよー!」。宙吊りで巨大焼きそばをつくった回では、散々な状況なのに鰹節がまるで紙吹雪にみえたほど、おふざけの中にもアイドルが顔をのぞかせる。なぜここまで体を張るのか。事前番組では「高いお笑いのセンス、期待されるとがんばってしまうプロ根性があるから」とナレーターが解説していた。

 中居はかつて雑誌のインタビューで、「スタッフから1要求されたら、3返したいし、3要求されたら4も5も返したい。いつも直球だけじゃなくて、たまには変化球を返したいし。そういう気持ちはいつも持ってる」(『JUNON』(主婦と生活社)/1996年8月号より引用)と答えている。ブレイクの最中なのに謙虚な姿勢で、さらなる高みを目指している。これが2018年のいまもなお見て取れる。常に目の前のことに全力を注いできたからこそ今があるのだ。

 普段は司会者として出演者を迎える立場にある中居も、ナイナイとの番組では、司会というポジションを外れる。40年ぶりの寝台特急にはしゃぐ姿、川の字で横になるなどナイナイと過ごす時間は修学旅行のよう。多忙な時も悲しい時も、この番組で見る中居の表情は一味違った。

 今回の『FINAL』で、特に印象深かったのは「都心でゴーカート」だ。事前アンケートで「本当は東京でオープンカーに乗りたい!」と回答していた中居。都心で「一番」と書かれたTシャツを着用、『SMAP×SMAP』のコントキャラ・マー坊の姿で登場すると、『めちゃイケ』のメンバー10人を先導し、渋谷の交差点を駆け抜けた。

 表参道を南下する途中、右手にあるマンションを指して「昔の(ジャニーズ)合宿所!」。他のメンバーが車線変更をしたが、中居はせずに「これいい思い出だよ、いい思い出」といいながら、一人迷子になってしまった。「めちゃイケスタッフの方聞こえますか? 一人はやめてもらえます? 一人だけはやめてください、一人にしないで」と不安げに漏らす中居に、スタッフは「見えてますから」、「自分が違う車線走ったからでしょ」とちょっと厳しいお言葉。そののち、再び9人と合流した中居。その姿に、これは何かを暗示しているのではないか、とSMAPの歴史を重ねてしまう一コマだった。

 ラストはビシッとスーツ姿で登場した中居。ナイナイを筆頭にめちゃイケメンバーを招いての打ち上げが行われた。知り合って22年目のファイナルに、中居はこんな言葉を寄せた。

「バラエティの最後は寂しく残酷なものだなというようなお話をさせていただきました。なんでそんな思いになったのかな」。

 『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のラストに寄せた自分の言葉を振り返り、コンサートや芝居はみな最終日やファイナルステージを目指して頑張るものだが、バラエティは違うと切り出した。

「(バラエティ番組が)最終回を目指して、そこをエネルギーに頑張りましょうって始まるバラエティはございません。逆に言いますと、最終回が来ないように、最後がないように進んで行くのがバラエティじゃないかなと。ですからバラエティの打ち上げ、寂しいものです。寂しいなぁ、うーん辛いなぁ、僕この世界ちょうど30年になります。今までそういう思い、多々してきました」。

 一つ一つの言葉を丁寧に、大切に伝えた中居。実は、旅の道中でもナイナイの二人のことを心配していたという。『FINAL』としながらも、いつもと変わらぬ様子で笑いながらロケをするメンバー、スタッフをみて、これが『めちゃイケ』が貫くスタンスか、と讃えた。

「最終回を迎える本人たち、メンバーにしか分からないと思います。その思い、気持ち、本人にしか分かりません。その経験、僕もしたことがあります」。

 自らも経験したからこそわかる当事者の心境。中居が同じような局面をむかえたときには、めちゃイケメンバーが中居に寄り添ったように、中居も20年という長い月日を共にしたナイナイを前に、思いっきり旅をした。

 旅のラストは、巨大ウォータースライダーで9年ぶりに中居が流されるという大きなオチがついた日本一周の旅。お笑い芸人とアイドルという肩書きを超え、3人の男たちによる本気のエンターテインメントをみせてもらった。番組が終わってしまう実感はまだないけれど、いつかまた、この3人にしかできない番組を見せて欲しい。(柚月裕実)