アートセラピーは欧米の治療現場に積極的に取り入れられていて、日本ではまだあまりなじみがないのが現状ですが、ストレスの解消によって心身にとても効果のあるこの考えは、今後、その裾野の広がりが期待されています。今回は自分で簡単に出来て効果のある方法も併せてご紹介しましょう。

アートセラピーの歴史

アートセラピーという考えが芽吹いたのは1940年頃のイギリスでエイドリアン・ヒルによって提唱されたと言われています。彼は結核の診療所で患者に絵を画かせることで治療の好効果を確認しています。自由に描くアートの力を発見し、広めることに尽力しました。同じような時期にアメリカにおいてはマーガレット・ナウムブルグによって「無意識を開放」することの大きな効果が言われ、日本では『力動指向的芸術療法』という題名で彼女の著作が翻訳されています。

アートセラピーが現代の人にとてもいい理由

何かとストレスが多いのが現代の環境ですが、そもそもストレスとは外からの刺激や変化によって起こる心身の緊張状態のことです。我々のカラダはそのような外からの刺激に逐一応えようとします。気温の変化、湿度の変化、紫外線、摂り入れた食物の変化などの物理的な変化と同じように心理的な不安や怒りなども同質の生体反応として受け取り処理しようとします。それらストレスが過剰に溜め込まれると生体はその処理が追い付かなくなり、数々の不調として外に表れてきます。これはため込まれたものの分散処理で対応しているということができます。意識的にストレスを表に出してしまえればいいわけですが、感情の変化などは言葉などでは表しずらくもどかしいものがあります。そこで外に出にくい意識や感情を外に出そうという試みがアートセラピーなのです。

超簡単に「脳」デトックスできる

外に向かって出すことが基本ですので、まずは簡単に出来ることで外に出してしまいましょう。実際にやってみることとでは雲泥の差がありますので、まず紙と筆記用具など身近にあるものを用意して下さい。紙はチラシの裏でも何でも構いません。用具は手近にあるボールペンでもマジックでも何でも構いません。

◎自動描画。利き手でもいいですし、利き手の逆でも構いませんので、紙に手が動くに任せて自由に画いてみます。何か形を画こうとせずともいいですし、線が掠れようと途切れようと構いません。ただ手が動くに任せて描きます。出てきたものの意味を考えないのがコツです。

◎フロッタージュ。チラシや要らなくなった雑誌からこれも手任せの感覚で好きなように、好きな部分を切り取って紙に張り付けていきます。ハサミを使っても、手で千切っても構いません。張り付ける場所や張り付け方は全く自由です。出来るだけ無作為にやった方が後で眺めてみると面白いものが出来ている場合が多いです。

このような方法以外にもクレヨンや絵具で色の要素を加えて自由に描いて外に出すのもいいですね。どちらの方法も3〜5分程度無意識に手だけを動かしてみましょう。次第に心が落ち着きすっきするのが体感できるはずです。

このように出てきたものは排泄物ではなくて、見えない自己の「こころ」の領域から出てきたものなので、表面的な意識に邪魔されていない純粋な部分を含んでいます。ですから、アートであり、その方法はアートセラピーという名前で呼ばれているのです。


writer:Masami