ギターアンプはエレキギターの音を増幅して良い音にするために欠かせない機材で、ギターアンプも楽器と言われるほど。ごく大まかに言えば、ギターアンプの音は出力できる「ワット数」に比例して迫力が増していい音になるといえるのですが、そこで気になってしまいがちなのが、「50ワットのアンプ1台」と「1ワットのアンプ50台」は同じ音がするのか?というところ。そんな疑問についてイギリスの音楽ショップGAKが両者を比較したムービー「1x50W Marshall VS 50x1W Marshall Mini Amps」を公開しています。

1x50W Marshall VS 50x1W Marshall Mini Amps - YouTube

ムービーでは音楽ショップGAKのスタッフ2人Joeさんが案内を、Adamさんが演奏を主に行います。検証には、ギターアンプの有名ブランドMarshall(マーシャル)から「出力50ワットのギターアンプ1台」と「出力1ワットのギターアンプ50台」の2種類を用意。同じエレキギターを使って弾いた演奏をASTON MICROPHONES製のマイクで収録して聴き比べます。



用意された50ワットのアンプは、1960年代のビンテージアンプを再現した「Marshall 1987X」。60年代後半の「プレキシ・マーシャル」と呼ばれるモデルを再現したアンプで、現在は20万円前後で入手できます。このアンプを使ってスピーカーで鳴らした音を……



ASTON MICROPHONESのコンデンサーマイク「Starlight Condenser」で収録します。



一方、1ワットのアンプは「MARSHALL MS-2 ミニアンプ」。1台あたり5000円前後で入手できるアンプを50台積み重ね、ギターの信号を分岐させて入力しています。このシステムで鳴らした音を……



同じくASTON MICROPHONESのコンデンサーマイク「AST-SPIRIT」を使って収録します。収録には違うマイクが使われていますが、これはおそらく50台ものアンプを1本のマイクでカバーする必要があるための機材を選んだ結果。「1987X」の価格はおよそ20万円、そして「MS-2 ミニアンプ」の合計価格が約25万円になるので、ほぼ同じレベルの価格帯での対決ということになります。



両方のアンプで演奏するエレキギターは、アメリカの女性シンガー・ソングライター、セイント・ヴィンセントが自らデザインしたというMusic Man St. Vincent Vincent Blueです。



検証スタート。まずは、出力50ワットのギターアンプ「1987X」×1台に、エレキギターをダイレクトに接続して演奏します。



軽く歪んだ「クランチサウンド」でギターをかき鳴らし、こじゃれたコードを織り交ぜつつ演奏するAdamさん。カリッとしたサウンドは適度な締まりがあって、「これぞマーシャル」を感じさせるものとなっています。



出力が50ワットのギターアンプ通した演奏が終了。次は1ワットのミニアンプMS-2を50台使用して演奏します。ミニアンプでの演奏は、使用するアンプを10台ずつ増やして行き、最終的に50台で鳴らします。



まずは10台を使った演奏から。



10台のミニアンプのセットアップが完了しました。Joeさんがワクワクしながら演奏を待ちます。



ミニアンプ×10台と接続したエレキギター演奏がスタート。10台のミニアンプからは、ややこもりながらも増幅された音が響き渡ります。MS-2の小さなスピーカーのハンデを補うためか、Adamさんは迫力を出せるパワーコード、しかも5度の音を工夫した変則パワーコードを中心に演奏していますが、どうしても迫力が欠けてしまっているのは致し方のないところ。



Joeさんが眉毛を片方ひそめつつ演奏を聴きます。



次は20台のミニアンプをセットアップ。



ミニアンプ×20台と接続したエレキギター演奏がスタート。10台の時と比較すると、やや音のひずみが増し、音圧が上がっているようにも思えます。



次は30台のミニアンプをセットアップ。



ミニアンプ×30台で演奏すると、音のひずみが際立ってきて音割れに近くなり、心なしかJoeさんの表情が心配そうに見えます。



次は40台のミニアンプをセットアップ。



ミニアンプ×40台で演奏スタート。30台から40台の変化はそれほど感じられず。演奏内容が違うので直接の比較はできないのが少し残念なところ。Joeさんの表情がますます消えているようにも見えます。



最後に、50台のミニアンプをセットアップします。ここで、Joeさんがセットアップが完了させた達成感からかガッツポーズをします。



セットアップをやり遂げて、検証の終了が目前だからかJoeさんの表情が誇らしげに見えます。



ミニアンプ全50台と接続したエレキギター演奏がスタート。先ほどよりも迫力が増したようにも聞こえますが、これは変則パワーコードとテンションノートを多めに取り入れたコードのおかげかも。



Adamさんが椅子から立ち上がり、アンプにギターを近づけてハウリングさせようとしますが、音量が小さいために激しい音には到達できず。



演奏が終了。ここでJoeさんが「50ワットのギターアンプPlexi 1台に対抗して1ワットのギターアンプミニアンプを50台を使用するとこのようになります」と言って検証を終えます。



ムービーの最後は、50台ものアンプからケーブルを抜いて後片付けをするJoeさんとAdamさんの様子で締めくくられていました。