3D上映とも違う新しい没入感 ScreenX上映の魅力を担当者に聞く

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 昨年7月1日に日本に初上陸した3面マルチ上映システム「ScreenX」。通常のセンタースクリーンに加えて、サイドの壁面にも映像が上映されるScreenXはまるで映画の中に溶け込んでいるような没入感を味わうことができる。

参考:映画館の売り物は“映画”ではない? 独立系シネコン・立川シネマシティの考え方

 日本で唯一のScreenXを備えたユナイテッドシネマ アクアシティお台場では、全国989スクリーンで公開された『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』の興行収入で全国2位を記録。“アトラクション”として楽しめるScreenXでの上映が、多大な貢献を果たしたそうだ。

 新たな上映システムScreenXについて、ユナイテッドシネマアクアシティお台場・梶谷武志氏に話を聞いた。

「ScreenXは韓国CJ社が2015年に開発して以来、韓国84館、中国26館、アメリカ3館のほか、トルコ、ベトナムなど世界各国で徐々に館数を増やしています。昨年は『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』、『オペレーション・クロマイト』、『新感染 ファイナル・エクスプレス』、今年の1月5日からは『キングスマン:ゴールデン・サークル』のScreenX上映を行い、好評を得ています。

 ScreenXは三面上映ですが、センタースクリーンの映像は通常のスクリーンで上映しているものと変わらないものです。左右にあるスクリーンには、2時間の作品では平均30分ほど映像が映し出されます。映像の作り方は3つあります。ひとつはCGで足していくやり方で現状、こちらがメインとなっています。ふたつめは撮影したものの本編では使用しなかった素材や、本編で使用している映像をつなぎ合わせるやり方。『新感染 ファイナル・エクスプレス』は、撮影の時点でScreenXを想定して制作が行われていたそうです。そして3つめは最初から三面撮影されたもの。こちらはコンサートでしか使用されていないようなのですが、撮影の時点で三面を切り取れるカメラがあり、BIGBANGのコンサート撮影の際などに使用されておりました。まだ、三面カメラを利用した映画作品はないですが、これから先徐々に増えていくと思います」

 “没入感”という点では、3D上映との共通点も指摘されるが、3D上映とScreenXではまったく別の魅力があると梶谷氏は続ける。

「右と左の側面に隠された情報がある、というよりも、映画の中に包まれているような感覚を味わえるのがScreenXの一番の魅力です。3D映画はメガネをかけて、その視覚の中に人工的に立体感を作り出しますが、ScreenXは席に座るだけで、臨場感が味わえる。まさに映画館という場所でしか味わえないものになっています。

 現在、日本映画のScreenX上映はまだ具体的に決まっていません。ただ、同じCJ社が開発した4DX上映も、最初は韓国映画が中心でしたが、『進撃の巨人』『シン・ゴジラ』など、次々と対応する邦画作品が出てきました。ScreenXの作品も今後出てくる可能性は十分にあると思います」 

 先日体験した『新感染 ファイナル・エクスプレス』のScreenX上映では、迫りくる感染者の群れが左右のスクリーンにも一挙に拡がり、主人公たちと同じように取り囲まれる恐怖を味わうことができた。3D映画よりも視覚が制限されない分、より映画の中に自身が存在しているような感覚を得ることができる。映画鑑賞の在り方は映画館だけでなく、DVDやBlu-rayに加え、配信で鑑賞することも一般的になってきた。しかし、ScreenXは改めて映画館で映画を観る醍醐味に繋がるひとつのきっかけになりそうだ。(石井達也)