誰でも"富豪"になれるツール「積立投資」

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「お金に縛られない生活」を手に入れるにはどうすればいいのか。雑誌「プレジデント」の特集「億万長者入門」では、34歳で「お金に不自由しない状態」を実現した田口智隆さんに、20代から60代までの5つの年代ごとに赤字家計の再生法を聞きました。第2回は世帯年収750万円という30代夫婦へのレクチャーです――。

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30代:藤田家の場合

家族構成
夫 38歳 IT企業システム開発
妻 36歳 契約社員
長女 2歳
年収
額面 夫 500万円 妻 250万円
うちボーナス 夫 90万円 妻 30万円
貯蓄額
200万円


妻は育児休暇取得後に復帰、時短勤の共働き夫婦。時短とはいえ日々の家事をこなすのはきつく、家事代行サービスを頼んでいる。将来は家を購入したいと思っているが、頭金の見通しはたたない。夫は友人が資産運用を始めたのを聞いて、自分もやりたいと思い始めたが、資金の余裕がない。

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▼子育てしながら共働き。家事代行サービス代がかさんでいる。

■早く始めるほど投資元本が積み上がる

投資は余裕資金でするものと考えがちだが、現役時代は毎月一定額を積立方式で投資するなど、「資産形成」を図って富豪への階段をのぼる時期である。ネット証券などでは毎月1000円からでも投資信託の積立購入ができる。豊富な資金がなくても、今すぐに始めよう。積立方式なら、1度に多くの額を投資するより高値買いの失敗を避けやすい。早く始めるほど投資元本が積み上がっていくし、収益が自動的に再投資されることで「お金がお金を生む、富豪的な循環」が生まれる。無理なくできて、かつ失敗を避けやすく、複利効果も得られる。積立投資はメリットが多く、富豪になるための強力なツールなのだ。

とはいえ、藤田家は毎月赤字。なるべく多く投資に回せる資金を捻出するため、どこを改善すべきだろうか。家事代行サービスに月3万円を使っているが、単にラクをするためなのか、家事の時間を短縮することで収入が増やせるなど「投資」と呼べるのかが考えどころだ。長い目でみれば、お掃除ロボットなど時短になる家電を買ってイニシャルコストをかけたほうが経済合理性は高いかもしれない。

夫は「稼ぐ力」を高めてほしい。私のまわりには本好きがとても多く、1週間で10冊読む人もいる。読書量と収入額は比例しているように思う。知の財産を千数百円で得られるのは好パフォーマンス。夫は新聞・書籍代として月1万円を使っているが、ほとんどはコミック誌や趣味の格闘技の雑誌とのこと。仕事に直結するビジネス書だけが有益なわけではないが、偏ったジャンルだけを読むのが問題。普段読まないジャンルのコーナーに行き、ピンとくるものを探してみよう。新鮮な気持ちで読むほど吸収しやすく、意外な仕事のヒントがみつかることも少なくない。

■広さを犠牲にしても立地を優先

稼ぐ力を伸ばすには、住まいも重要なポイントだ。藤田家は現在、郊外の比較的広い賃貸マンション住まいで、毎朝混雑の激しい電車で1時間半かけて都心の会社に通っているという。家賃ももったいないのでマンションを購入したいというが、その際、優先すべきは広さより立地である。働き盛りの30代では特に、広さを犠牲にしてでも立地を優先させ、職住接近にしたい。満員電車のストレスは心身ともに負担が大きく、必ずや仕事に影響するからだ。心身ともに健康で、仕事に集中して収入を増やすのが富豪の選択だ。

価格の3分の2は頭金を用意し、ローンは3分の1にとどめたい。3500万円の物件を買うとしよう。頭金が価格の3分の1(約1170万円)では30年返済で毎月返済額は約8万6000円、総返済額は約3100万円。対して頭金を3分の2(約2330万円)用意すると、30年返済での毎月返済額は約4万3000円で、総返済額は1550万円で済む(金利2%で計算)。

支出面で検討したいのが、保険料。保障を充実させるほど安心と考えるのは早計で、必要な保障を効率的に得ることを考えたい。私が考える必要な死亡保障は、年収の3年分と【1000万円×子どもの人数】から、預金や退職金などを引いた額である。18歳未満の子を遺して親が死亡した場合、国民年金から年間約78万円の遺族基礎年金が支給される(子ども1人の場合)。会社員なら遺族厚生年金もある。だが、これだけでは足りないし、教育費として子ども1人につき1000万円は遺したいので、保険に入るのはたしかに合理的だ。夫の死亡後、妻が働くのが難しいと考えるなら、年収の3年分ではなく、さらに保障を高くする必要があるだろう。安心のためという曖昧な根拠で保険料を払うのではなく、どの程度の保障が必要なのか、夫婦で話し合うことをお勧めする。

富豪の掟●若いうちから積立投資を始める

(ファイナンシャルインディペンデンス代表取締役 田口 智隆 構成=高橋晴美)