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ポルシェ911(997)のある暮らしのススメ

ー フィエスタSTと同価格で手に入る、ポルシェ911の中古車
ー 前期モデルと後期モデルとの違い
ー ポルシェ911(997)の中古車 購入時の注意点
ー 専門家の意見を聞いてみる
ー 知っておくべきこと
ー いくら払うべき?
ー 掘り出し物を発見

フィエスタSTと同価格で手に入る、ポルシェ911の中古車

新車のフォード・フィエスタST-2と同じ価格で、平均的な走行距離の、12年落ちのポルシェ911が買えることをご存知だろうか? 気になるはずだ。

20年ほど前のモデルとなる、993シリーズのポルシェ911は、4万ポンド(606万円)を軽く超える価格帯になってしまった。限られたポルシェのエンスージァストが価格を釣り上げているのだ。そこで注目するべきは、2004年から2012年に製造された、997シリーズの911となる。

996よりも美しいスタイリングを持ち、全ての面で実用性が向上している。2009年以降の後期モデル(2世代目)は特に、993と比較しても十分魅力的なモデルといえる。

中古車市場では、後期モデルの価格は4万ポンド前後となっているが、今回「掘り出し物を発見」のコーナにある、後期モデルを3万5795ポンド(542万円)で発見することができた。

ただし、注意は必要。911を購入する場合は年式に関わらず、十分慎重になったほうがいいだろう。

たとえ安く購入しても、劣化した燃料系や冷却系のホース類、サスペンション・ブッシュなどを交換するだけで、数千ポンドは追加されることになるし、ボディに傷が付いている場合もある。

車両金額とは別に、5000ポンド(76万円)〜1万ポンド(151万円)は見ておいて、ちゃんとしたクルマに仕上げるつもりでいたい。また定番となる、カレラかカレラSのモデルには拘りたいところ。

そして、同じ997でも、実は年式によって大きな差があるのだ。

前期モデルと後期モデルとの違い

2004年にリリースされた初期モデルでは、標準のカレラは3.6ℓ水平対向6気筒エンジンが325psを発生させ、カレラSは拡大された3.8ℓの排気量から355psを発生させる。

カレラSの方は、高回転域でより活きいきとしてくる。そして、どちらのモデルを選んだとしても、0-100km/h加速は5秒以下でこなし、6速マニュアルか、オプションとなる5速ティプトロニックを介して、後輪を駆動する。

さらにバリアブル・パワーステアリングと、PSMスタビリティ・コントロールが搭載されるほか、カレラSには、設定変更が可能なPASMアダプティブ・ダンパーも装備。オプションとなるスポーツクロノ・パッケージは、PSMを柔らかく設定しても、よりシャープなスロットル・レスポンスと、硬めのショックアブソーバのセッティングとなる。

そのほかのオプションは非常に多彩だが、可変式のスポーツ・エグゾーストやパーキングアシスト、調整可能なスポーツシート、チルト・スライド・サンルーフなどは狙っておきたい。ナビとボーズ製のオーディオが付く、ポルシェ・コミュニケーション・マネージメント・システム(PCM2)も、装備していると良いオプションだ。

その後、2009年には大幅に変更が加えられた、後期モデルが登場する。

実は、前期モデルには、シリンダー内に発生する傷や、インターミディエイト・シャフトのベアリングの欠陥といったトラブルが報告されているのだが、後期型にはこのような問題は改善されている。

さらに直噴仕様となり、可変バルブタイミングのバリオカム・プラスが装備されたことで、最高出力はスタンダード・モデルで344ps、Sモデルで385psまで向上しているのだ。

燃費もわずかながら改善している。加えてオプションとなるティプトロニックは、素早い変速を可能とする、新しいPDKデュアルクラッチ・トランスミッションに変更。前期型のPCM2は、機能が向上されたPCM3へと置き換わっている。

というわけで、可能ならば後期モデルのPDK仕様を手に入れて、夢のカーライフを過ごしてみてはいかがだろうか。

ポルシェ911(997)の中古車 購入時の注意点

エンジン

初期モデルのごく一部には、シリンダー内に発生する傷や、インターミディエイト・シャフトのベアリングの欠陥が認められており、2007年から改善されている。

マフラーに付着するススの量の確認や、アイドリング時のタッピング・ノイズを聞くことも大切。

後期モデルでは、エンジン後部に取り付けられているタンデム・バキュームポンプが錆びて、オイル漏れを起こすことがある。マニュアル車では特に、PIWISダイアグノーシスにノートパソコンなどを接続して、オーバーレブの記録も見ておきたいところだ。

電装類

ミスファイアはエグゾースト・マニフォールドのすぐ側に付いているイグニッション・コイル内の亀裂が原因。オルタネーターのケーブルも、保証期間内に交換されているか確認しておきたいところだ。

トランスミッション

マニュアル・ギアボックスは堅牢だが、ケーブル周りの不調は起こりえる。

クラッチは80000km程はもつが、クラッチペダルが重たい場合は、交換時期が近いしるし。

ボディ

通常は錆びることが少なく、錆びている場合は修復暦を疑う。塗膜の厚さも見ておきたい。ノーズ周りは飛び石傷が付きやすいが、再塗装されている場合は、傷がなくなっているはず。

冷却システム

車両ノーズ部分に取り付けられているラジエターやエアコンのコンデンサーは、飛び石による損傷や枯葉の付着などで、腐食を起こすことがある。リザーバータンク内の液量や、ラジエターホースからの漏れも確認したい。

サスペンションとブレーキ

ロワー・コントロールアーム・ブッシュのきしみ音と、PASMシステムをノーマルとスポーツとで切り替えた際に、明確な乗り心地の変化が起きるかを確認する。

タイヤも高品質な銘柄のものか、ポルシェ認証の「N」タイヤかどうかも確かめておく。タイヤ内側の片減りがひどい場合は、ホイールアライメントの狂いが原因だ。ベンチレーテッド・ブレーキディスクの内面のサビもチェックポイント。

専門家の意見を聞いてみる

ジョナサン・リーチ
クライドフォーズ・ガレージ

「3年ほど前に底値となりましたが、最近は回復傾向にあります。それは新車価格が上昇していることも原因しており、状態の良い中古車の価格は今後も上がるはずです」

「997を探す際も、価格が安いものにはそれなりの理由があると考えて、注意したいところ。メジャーなトラブルの修理には数千ポンドが必要となるでしょう」

「わたしのお勧めは、後期モデルのカレラで、オプションのスポーツエグゾーストを装備している1台。安心して乗れると思います」

知っておくべきこと

997を購入する場合、正規のポルシェによる保証プログラムを付加することも気に留めておきたい。1年間1100ポンド/2年間1920ポンドの費用で、14年/20万kmまでをカバーしてくれる。

いくら払うべき?

2万ポンド〜2万4995ポンド(303万〜378万円)

2007年モデルくらいまでの標準のカレラか、カレラSで、走行距離は14万km以下のモデル。ポルシェによる通常の整備記録と、そのほかの修復内容も確認しておきたい。

2万5000ポンド〜3万2995ポンド(378万円〜499万円)

低走行距離で、高性能モデルでも社外パーツに置き換わっている量を確認したい。2004年式でも正規中古車となっている場合がある。

3万4995ポンド〜3万9995ポンド(530万〜605万円)

2009年の後期モデルなら、12万km以下、前期モデルなら新しい年式のもので、低走行距離のモデル。2006年式なら正規中古車も見つかるだろう。

4万ポンド〜4万9995ポンド(605万〜757万円)

2009年から2011年の上質な後期モデル。正規中古車も少なくないはず。

5万ポンド(757万円)以上

後期モデルの中でもかなりの上質なクルマといえる。

掘り出し物を発見

ポルシェ911 カレラ 登録2010年10月 後期モデル 走行72000km 価格35795ポンド

インテリアはブラウンのレザーで、マニュアル・ギア。正規ディーラーによるメンテナンスの履歴が残っており、比較的新しいタイヤを履いた、2オーナー車両。かなり挑戦的な価格ではあるので、慎重にクルマの状態を確認はしておきたいところ。