DVから逃げてシェルターに入った女性が見たシビアな現実

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 夫などの暴力から逃げて、一時的に身をよせることができる施設「シェルター」をご存じでしょうか。

 行政が運営する公的シェルターのほか、全国で115の民間団体が民間シェルターを運営しています(平成28年11月1日現在、自治体が把握している団体数)。こういった施設ができたことは大進歩なのですが、入所した人や専門家からいろいろな問題が指摘されているのも事実。

 今回、民間シェルターに入った女性(25歳)から「驚きの連続…監獄みたいでした」という声を聞き、その実情を取材してみました。もちろん人によって感じ方は様々なので、あくまで個人の体験としてご紹介します。

◆相談に行ったら、そのままシェルターに入ることに

「私は、東京近郊に住む夏央(仮名)と言います。モラハラ夫と離婚して実家で暮らしていたのですが、母の乱暴に耐えかねて、公共機関に相談に行ったところ、そのままシェルターに入ることになりました。

 実家の母は少し精神的に弱く、ご近所に迷惑をかけることが多かったんです。母は離婚しているので父親はいません。私と母の2人暮らしでした。でも母が私にいつ暴力を振るうかわからなかったので、今年の3月に、女性のためのセンターに相談に行きました。

 そこで事情を説明したら、すぐにシェルターに入った方がいいと言われたんです。『2〜3日で出られるし、ご飯も食べられて宿泊費も無料ですよ』と勧められて、了承しました。

 シェルターに入るには『どのぐらい緊急事態か』をチェックする必要があるらしく、まず警察に経緯を説明しに行きました。そこで加害者(私の場合は母)から捜索願が提出されないように書類を書いたり、身体のチェックなどを行います。このとき体にアザなどがあれば、事件となるようです。

 そして警察への事情説明が済むと、そのままシェルターに行くことになりました。

 まさかその場で入ることになるとは思っていなかったので驚きました。なので荷物もお財布と携帯、化粧ポーチとハンカチと言いった、普段外出するときに持ち歩くアイテムだけ。着替えも持っていませんでした」(夏央さん)

 本人が断れば“その場で入所”にはならないはずですが、家に帰ってまたDV被害に遭う危険を避けるために「このまま入所したほうがいい」と勧めるケースも多いようです。

◆塀で囲まれたシェルター、財布も携帯も預ける

「センターの相談員さんが私をシェルターまで送ってくれたのですが、『私は中へは入れないから』と言って、そのまま帰ってしまいました。

 シェルターの場所は秘密で、学校かお役所かなにかをリノベーションした建物でした。到着したのが夜の9時過ぎだったんですが、天井が低くて、明かりも乏しくて真っ暗です。敷地を塀がぐるりと囲んでいて、勝手に外に出られないようになっていました。

 そこのスタッフにまた事情を説明して(今日で同じ説明を3回しました)、お財布と携帯をスタッフに預けました。これで自由に外の人と連絡を取ることができなくなります。そして6畳の個室に入ることになりました。

 シェルターから出るには、ケースワーカーの許可が必要なようでした。

 住むところか働くところが見つかって、自立のメドが立ってから出られます。でもそのケースワーカーがなかなか熱心に相談に乗ってくれないのです」(夏央さん)

 DV加害者が連れ戻しにやってくる危険があるので、シェルターの場所や、入所者の個人情報は絶対秘密。そのため、外出や外との連絡を厳しく制限するのですが、それを「監獄のよう」と感じる人もいるようです。

◆シェルターでの生活は…

「入所すると、下着一式とタオル、歯ブラシと風呂桶、洗濯ばさみと個室の鍵が渡されます。自分の荷物はこれだけです。基礎化粧品は共用の洗面台に置いてありました。