軽量化・燃費・安全面などメリットは大きい

 クルマが故障したり、悪路でスタックしたりすると、ロープでけん引する必要が出てくる。そうした時に利用するのが「けん引フック」と呼ばれるものだが、最近ではバンパーにある丸や四角のカバーを開けて、フックをねじ込んで使うものが増えている。

 バンパーにカバーが見えるのはカッコ悪いという批判もあるが、バンパー下やグリル内などにフックを設置するケースが減り、ねじ込み式フックが増えているのにはどのような理由があるのだろうか。いくつかのメーカーの公式見解をまとめてみると「軽量化とクラッシャブルゾーンの拡大に寄与する」と考えてよいだろう。

 けん引フックというのはマウント部分を含めて強度が求められるものである。バンパーのカバーを外してフックをねじ込む方式にすれば、サイドメンバーのような強い部分にダイレクトに接続できるので強度的に有利となるし、フックを支えるための補強も最小限で済む。これが軽量化に寄与する。また、フックのような突起物が常設されていると歩行者への攻撃性が生まれてしまうが、取り外し可能とすることで普段は他者への攻撃性を減らすというメリットも生まれてくる。

 また、バンパー下部にフックを設けていると、それ自体が攻撃性を持つこともあるが、そうした部分でも安全面でプラスになるといえる。ほかのメリットといえるのがバンパーの保護だ。ノーマル状態であれば問題になることはないが、リップスポイラーなどを装着していると、バンパー下に常備されたけん引フックにロープをかけて引っ張ると、ロープがエアロパーツにこすれてしまうことがある。そのためメーカー純正のエアロパーツでは、そうしたクリアランスを確保したデザインとする必要があったし、アフターのエアロパーツではけん引時には取り外す必要があった。

 しかし、ねじ込み式フックであれば、そうした手間や心配は不要となる。また、ノーマルのデザインにしても、フックの逃げが不要となることで幅が広がるという面もあるだろう。とくに燃費に貢献する空力性能が求められる昨今では、そうした自由度の高さは車両全体としてみてもメリットだ。

 なお、けん引フックは指定部品(容易に取り外しできる部品)のため、ねじ込み式けん引フックを付けたままでも、保安基準での問題はないといえるが、装着したままで走行することは歩行者保護の観点からはネガティブといえるので、必要なときだけ装着するようにしたい。