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そもそも“装甲車”とは

今回取り上げるのは、MRAP(対地雷・伏撃防護車輛)と分類される装甲車だ。防弾のほか、地雷や、アフガニスタンで最も多く兵士の命を奪った兵器である厄介なIED(簡易爆弾)にも耐えるよう設計されている。縁がないに越したことはないが、あくまで興味本位で、滅多に接する機会のない装甲車の世界に迫ってみよう。

ハンヴィー

英国陸軍であればディフェンダーがベースのスナッチ・ランドローバー、米軍ならばこのハンヴィーといった旧式の汎用車輛は、イラクやアフガニスタンにおいて激増するIEDの前で、防護能力の不足を露呈した。それゆえ、アメリカでは2007〜2013年に2万7000台ものMRAPが生産され、英国では全長8m/重量23.5tのマスティフ6×6から、より新しく小さいフォックスハウンド4×4まで、幅広いラインナップを揃えようとしているのだ。

ユニバーサル・エンジニアリング・レンジャー8×8


この英国製MRAPは、車体直下で爆発物10kgが炸裂しても耐えるように設計されている。シートなどキャビン内の装備は、下から受けるショックを減らすため、フロアではなくルーフにマウントされている。

ユニバーサル・エンジニアリング・レンジャー8×8


実際に乗って驚いたのは、1.2mほどの隆起も乗り越えるダブルウィッシュボーン・サスペンションの能力。速度は、100km/h近く出ていた。ドライバーは「あなたのお袋さんでも運転できるクルマですよ」とこともなげに言ったものだ。

ユニバーサル・エンジニアリング・レンジャー8×8


乗員数:2+10名
最高速度:130km/h
車輛重量:25,000kg
全長:8350mm
全幅:2500mm
全高:2900mm
エンジン:6気筒ターボディーゼル、12,400cc
最高出力:540ps/1900rpm
最大トルク:253.6kg-m/1050rpm
トランスミッション:12段AT

ストレイト・タイフーン


国連軍にも採用される、カナダ製四輪駆動軍用車。われわれが乗せてもらった車輛はプロトタイプのダブルウィッシュボーンを用いており、ハーネスで締め上げていないとシートに身を留めておくことができなかった。それでも、俊敏な走りと四輪ドリフトもできる身のこなし、そして1.5mもの渡河深度には目を見張るものがある。

ストレイト・タイフーン


暗く、音のうるさい後部キャビンは、感覚を遮断するような空間だ。それでも、ここが敵地だったら、それも気休めにはならないだろう。

ストレイト・タイフーン


乗員数:2+8名
最高速度:100km/h
車輛重量:13,000kg
全長:6894mm
全幅:2466mm
全高:3010mm
エンジン:6気筒ターボディーゼル、8800cc
最高出力:399ps/2100rpm
最大トルク:165.9kg-m/1300rpm
トランスミッション:6段AT

テクストロン・コマンド・エリート


コマンド・エリートは、ベトナム戦争時に使用された車輛の後継機種で、60%の傾斜も上ることができる。外部の視界は制限され、TFT液晶スクリーンにビデオカメラと熱感カメラが捉えた映像を投影する。

テクストロン・コマンド・エリート


使用目的は主に情報収集だが、ルーフ上に索敵も迎撃も自動で行える火器類の設置も可能だ。

テクストロン・コマンド・エリート


乗員数:3+最大4名(後部はシートなし)
最高速度:105km/h
車輛重量:14,742kg
全長:6630mm
全幅:2740mm
全高:3020mm
エンジン:6気筒ターボディーゼル、8898cc
最高出力:365ps/2100rpm
最大トルク:153.9kg-m/1500rpm
トランスミッション:6段AT