中国国営・新華通信社は5日、中国企業が東チモールで同国初の高速道路を建設中と紹介する記事を発表した。

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中国国営・新華通信社は5日、中国企業が東チモールで同国初の高速道路を建設中と伝える記事を発表した。東チモールは「世界で最も発達していない国のひとつ」であり、工事を進めているスアイ地区は東チモールでも「最も遅れている地区」として、中国企業がやって来たことで、「静かな変化」が起こりつつあると紹介した。

工事を進めているのは中国国有企業の中鉄一局と東チモール側のジョイント・ベンチャー。記事は冒頭で、「東チモール人は昔、高速道路がどんなものか知らなかった。今ではマレーシアやインドネシアと同じように高速道路を持つようになった。とても自慢だよ!」という、測量担当の現地人作業員の声を紹介した。

記事は続けて、別の現地人作業員を紹介。27歳で3人の子を持つ人で、かつては月収が100ドル(約1万1300円)強しかなかったが、現在は工事の仕事で収入は2倍になり生活が大いに改善されたとした。

同事業は2016年に着工したが、建設のピーク時には現地人1300人以上が働いたという。記事は、「それまで見たこともなかった重機の扱いを学んだ作業員が感動」「人々は以前、草で造った小屋に住んでいたがレンガ造りの家が増えた」「街ではオートバイが目立って増えた」など、工事が生み出した雇用により地域が活気づいた様子を強調した。

記事はさらに、ジョイント・ベンチャーの東チモール人幹部が、高速道路の建設事業によって育成される熟練作業員が、将来の東チモール建設の主力になると評価したと紹介。また工事現場近くで火災発生した時には、工事用の放水車を出動し「中国人作業員の助け」により消火に成功したことで、現地メディアに称賛された事例を挙げるなど、事業が中国企業の国際的イメージを向上させていると強調した。

東チモールは国連主導で実施された住民投票の結果、2002年5月に独立。それまで国際法上はポルトガル領、実際にはインドネシアが支配していた。国土面積は約1万4900平方キロメートルで、東京・千葉・埼玉・神奈川の1都3県の合計とほぼ同じ。人口は約118万人。発展途上国でありコーヒー豆・米・とうもろこし・いも類・ココナッツが主要資源であると同時に、石油や天然ガスが貴重な国家財源になっている。

中国企業はインフラ建設の分野で世界各地の発展途上国に進出しているが、「自国の労働者を大量に使用して現地の雇用にあまり貢献しない」「現地社会とトラブルを多発させる」などの問題が指摘されている。上記記事は、中国企業の進出による雇用創出と現地社会からの高い評価を強調した。

中国企業が主導するインフラ建設では、発展途上国側が債務の返済能力に欠け、結局は中国側に経営権などを譲ってしまうなどの問題も指摘されているが、上記記事は触れていない。(翻訳・編集/如月隼人)