安倍首相の看板政策「アベノミクス」について、中国メディアは「多くの約束は実現されていない」と指摘。最大の失敗としては「生産性の低迷」を挙げ、「安倍政権の構造改革に進展はない」と論評している。写真は安倍首相のポスター。

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2018年1月5日、昨年末で満5年が経過した安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」について、中国メディアは「多くの約束は実現されていない」と冷ややかに見ている。最大の失敗は「生産性の低迷」と指摘。「安倍政権の構造改革(アベノミクスの3本目の矢)に進展はない」と論評している。

中国網はこのほど、「アベノミクスが5周年、その効果は?」との記事を掲載。安倍首相は「超量的緩和策」「財政支出拡大」「経済改革」の3本の矢でアベノミクスを推進しているとして、「その過激な金融政策により、日本はこの5年間でついにデフレから脱却した」と述べながらも、「アベノミクスの多くの約束は実現されていない」と断じている。

日本経済の現状に関しては米ブルームバーグ通信の報道を引用して「日本国内の消費が低迷し、企業が増給(賃金増)に踏み切っていない」と説明。「高齢化と人口減に伴い、国民は今後を懸念している。また日本が抱える巨額の負債も、国の未来に影を落としている」と伝えている。

さらに「国際通貨基金(IMF)の推算によると、日本の国の借金の対GDP(国内総生産)比は240%前後に達している。米国、英国、ドイツ、フランスなどは100%未満。現状を見る限り、日本の債務縮小は依然として先行き不透明だ」と分析。「人口減に伴い、1人平均の債務が拡大を続けている。これはさらに懸念すべきことだ」と警鐘を鳴らしている。

アベノミクス実施5年の成果としては雇用拡大を挙げ、「多くの女性が職場に復帰した」と評価。しかし、同時に「安倍首相の当初の目標は2020年までに女性がすべての分野の管理職に占める割合を30%にするはずだったが、この目標はすでに棚上げされている」「議会に占める女性の割合は10.1%に低下し、20人の閣僚のうち女性は2人のみ」とも酷評している。

賃金をめぐっては「日本の賃金は緩やかに上昇しているが、アベノミクスの足を引っ張っている。他国と同様、日本では労働力が不足しているが、賃金増につながっていない」と強調。「今年の日本の賃金上昇率は1%にとどまる見通しだ。それにもかかわらず世帯支出を拡大させるためには、さらなる増給と企業の物価への信頼性が必要だ。そのためデフレ脱却したとはいえ、日銀は2%という物価目標を掲げ続けており、この目標に到達するまで量的緩和をやめることはないとしている」と解説している。

その上で、エコノミストの「アベノミクスにとって最大の失敗は生産性の低迷」との見方を紹介。「日本の製造業の生産性が向上したが、労働力の7割を占めるサービス業の生産性は2003年から2016年の間に10%低下した。世界の生産性は低下傾向を示しているが、安倍政権の構造改革に進展はない」としている。(編集/日向)