「自称クリエイター」から売れっ子芸能人まで、半ニートから高額所得者まで……幅広い社会人のるつぼ・下北沢のバーを中心に「一人飲み」歴10年以上のライター・きたざわ御神酒です。酒の席で遭遇した男女の「へー」「うわー」「あら〜」「イタタ!」なヨモヤマ話をご紹介します。

30歳働く堅実女子。なぜ「一人飲み」に走ったのか?

パーティーシーズンですね。仕事関係の宴会に、友人との久しぶりの集まり…飲む機会の多い季節ですが、働く堅実女子の皆様、楽しんでますか?

たのし〜!レッツ、パリピ〜♪と、はしゃいでばかりいられるのは、20代前半くらいまで。

オフィシャル系の宴会で気を遣うのはもちろんですが、プライベートな友人との集まりでも「楽しいんだけど、それなりに気疲れする部分も……」というのが、働く堅実女子世代の本音なのでは?社会に出て数年たつと、職業やら収入やら生活環境やらと、親しい友人同士の間にも、様々な「社会的な違い」が出てくるもの。柳原加奈子さんや横澤夏子さんのコントで笑ってしまうのは、ああいう「イタさ」を体感した〜イタい人に付き合って疲れたことがある、もしくは、そのイタさがちょっと自分と重なる〜などの経験があるからこその、ある種の「自虐シンクロ笑い」だと思います。

……というような状況が、意識しなくても積もっていたのでしょう。30歳当時の私、突然「一人飲みできる店が欲しい」と思い立ちました。今思えば「社会人としての自分を誰も知らない、プライベートの場所」が欲しかったのだと思います。

女子の一人飲みには「用途に合った店(バー)選び」が一番のキモ!

ここで大きな問題です。「一人飲みしてみたい。でも……どこで?」

小さなバーが、たぶん100軒以上ひしめく下北沢に住み、店はよりどりみどり。でも、「どこなら居心地がいいのか?」は、入って飲んでみるしかないわけで。だけど一人でいきなり知らないバーに入っていくのは勇気が要るよ!……というわけで、「一人飲みしたい」と思い立ってから2週間ほど、私は夜な夜な、何軒ものバーの前で中の様子を探る……という不審者と化しました。不審者の着眼点は、主に2つ。

1:ドアや窓から中の様子が見える店で、女子が一人で入れる雰囲気か、様子をうかがう。

2:店に入ってく、もしくは出てくる客層の雰囲気を観察。

ここまで思いつめる?ほど「一人飲み」に執着したのは、「先輩女子の行きつけのバー」での経験もあったから。当時、同じテレビ番組の構成を担当していた先輩が近所に住んでおり、彼女の行きつけのお店に、月に4〜5回はお供していました。下北沢の繁華街から1本小道に入った場所にある、隠れ家的なカジュアルダイニングバーで、客層は「下北沢らしいカオス」なお店。常連には、我々のような「若いギョーカイスタッフ」もいれば、学生や飲食店勤務の人も来るし、オリコン1位のバンドマン&CMに引っ張りダコの女優さん(すっぴん部屋着)カップルや、作家もいる。なにがスゴいって、そういう常連が、それぞれ、変に慣れ合う空気にならずに、「ああ、今日も来てますね」という感じで和やかに独立して、セカンドハウスのように店の空間を楽しんでいたんです。

正直、私には不思議でした。「ギョーカイスタッフと大物芸能人カップル(公には知られてない)が同じ場所に通ってて、よく週刊誌とかにあのカップルの仲がバレないなぁ」って。

バーはマスターで選べ!

そのナゾ、自分が「一人飲み歴10年以上」になった今では、答えは明確。すべては、「そういう事が成立するマスターの店だから」の一言に尽きます。

バーの空間って、実は「マスターのキャラそのもの」。上品にお酒を楽しむ空気のお店、常連がサークルみたいに騒ぎ合うお店、来ている男女のほとんどが下半身までつながっちゃいやすいお店、いろんなバーがあるけど、それ、すべて「マスターのキャラがそうだから」なんだよね。

今思えば、その先輩行きつけのバーでも、マスターが芸能人のお客様を守るような工夫をしていたんだと思います。常連の先輩もお供の私も、ギョーカイの端っこにはいたけれど、絶対にその二人の仲をリークするような性格じゃなかったし。『一見(いちげん)さんお断り』の店でこそなかったけど、まあクセの強いマスターで、私も、一人だったら1杯飲んでおしまい、って店だったと思う。先輩に連れられて入ったからこそ、すごく楽しめたんだけど。

……という「先輩行きつけの店」でバーの面白さを垣間見て、2、3度一人で行ったりしたころ、先輩と微妙な感じになりまして。行って、先輩と遭遇しなければ楽しいけど、出くわすと微妙。だってもとは先輩の店だし。という感じで、「自分の一人で飲める店」を開拓したくなったわけです。

で、不審者的に「完全一人飲みデビュー」の店を見つくろいだしたわけですが…ある店のマスターの意外な一言がぐっさりヒットし、私の「一人飲み歴10年以上」に至るヘビードランカーの道が始まってしまうのです。〜その2〜に続きます。

「あのバーなら入れそうだ……」泥棒並に店をガン見する怪しすぎる女・御神酒。