韓国協会のオフィシャルカメラマンは、「いつも明るく気さくで撮影されることを楽しむ」とイ・ミナを評した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 今季から、なでしこリーグのINAC神戸でプレーすることが決まっている韓国女子サッカー界のアイドル、イ・ミナ。昨年12月に行なわれたE-1選手権でも韓国女子代表のエースとして活躍し、日本でも一気にその知名度を高めた。
 
 そのテクニックもさることながら、端正な顔立ちと愛くるしいルックスが目を引く「人気急上昇中のビーナス」について、KFA(韓国サッカー協会)のオフィシャルカメラマンのひとりであるイ・ヨンスも言う。
 
「韓国でも今や女子サッカー界のスターです。これまで韓国女子サッカー界のスターと言えば実力ではチ・ソヨン、ビジュアルでは“韓国サッカー美貌担当”と言われたシム・ソヨンか有名ですが、イ・ミナは実力、ビジュアル両方を備えた選手。ただ、決してスターぶるところはありません。いつも明るく気さくで撮影されることを楽しむ。聞けば、ファッションにも興味があって、着こなしもうまい。休みの日はよくショッピングに行くようです」
 
 イ・ヨンス氏によると、イ・ミナのようなタイプは珍しいという。WKリーグ(韓国女子サッカーリーグ)はほとんどのクラブが合宿生活を送っており、完全オフは1か月に2〜3日しかない。普段はジャージ姿で過ごす選手が多いなか、イ・ミナはおしゃれを楽しみ、肌の管理にも気を使うらしい。
 
「プチ整形していることも正直に告白しますからね。時間があれば故郷の大邱に帰って親孝行もしている。どこにでもいそうな普通の韓国女子ですよ」(イ・ヨンス氏)
 
 知られざるエピソードはルックスだけではない。その成長過程においても意外なエピソードがある。教えてくれたのは、サッカー専門メディア『Footballist』のリュ・チョン記者だ。
 
「今でこそ韓国サッカー界のアイドル的存在ですが、彼女は冷遇された時期もあったんです」
 
 2008年U-17女子ワールドカップ、2010年U-20女子ワールドカップに出場し、2011年ユニバーシアード韓国女子代表を経て、2012年2月に韓国女子代表になったイ・ミナ。だが、2013年10月から2015年8月まで代表チームから遠ざかった。学年はひとつ上ながら同じ91年生まれのチ・ソヨンとポジションが重なったこともその理由のひとつだが、イ・ミナのプレースタイルも関係していたという。
「彼女はワンタッチでのボール扱いを得意とし、スペースを探し飛び出す嗅覚にも優れた韓国女子サッカー界では珍しいテクニシャンタイプですが、韓国女子サッカーはとにかくよく動き、がむしゃらに守備をする選手を重宝しがち。サイズが小さいイ・ミナを好まない指導者も多かったし、起用されても守備の欠点ばかりを指摘され適切な評価がなされなかった時期がありました」
 
 そんなイ・ミナの評価が変わり始めたのが、2015年の東アジアカップからだったという。それまでとは見違えるような豊富な運動量で存在感を示し、韓国代表に返り咲いた。
 
「一見すると可愛らしく、テクニシャンという印象からクールな性格にも見えますが、ああ見えてかなり負けん気が強いと言いますか、根性が据わっているんです。そうした気の強さも、実は彼女の魅力だと思います」(リュ・チョン記者)
 
 ただ、普段はとても明るく愛嬌があり、メディアとの関係も良好。「今どきの女の子らしくSNSなどでの自己発信にも積極的で、ファンとの交流やセルフプロデュースにも長けている選手」(リュ・チョン記者)だという。
 
 その一方で、そのスター性ゆえに、時としてやっかみの対象になってきたのも事実だ。
 
 それを物語るエピソードのひとつが、2016年4月にFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が訪韓した時のことである。KFAはイ・ミナに花束贈呈役を任せたが、「ふたりにどんな関係があるのか」「イ・ミナが韓国を代表する世界的な選手なのか」などの皮肉の声が起こったこともあった。