一見、マツダCX-5の全長を延ばしたようなスタイルにも見えるCX-8。北米向けのCX-9と同じ2930mmというホイールベースをもち(CX-5は2700mm)、全長を約160mm短く、全幅を約130mm狭く(全高は約15mm高く)することで、日本向けにアジャストした3列シートSUVといえます。

CX-5と共通するのはエンジンベイくらいで、2.2Lクリーンディーゼルエンジンも「SH-VPTS」と型式こそ同じですが、ツインターボの大径化などにより最高出力はCX-5の175ps/420Nmから190ps/450Nmに増強され、190kg前後の重量増に対応しています。

最新版といえるクリーンディーゼルエンジン仕様は、CX-5のそれよりもさらにスムーズに回るだけでなく、エンジン音を含めた騒音対策は念入りにされている印象を受けます。CX-5からさらに静粛性が引き上げられている印象で、マツダの国内向けSUVでトップモデルにふさわしい動的質感が得られています。

乗り味も重量増、230mmも異なるホイールベースを反映したもので、CX-5で感じられる軽快感とは異なり、良い意味での重厚感があり、フットワークも3列シート車にふさわしい落ち着きがあります。

より運転を楽しむのであればCX-5が一枚上手でしょうが、3列目にも乗車することを考えるとCX-8の直進安定性を重視したセッティングは当然といえるでしょう。

後輪の上に座るようなカタチになる3列目の乗り心地は、1列目、2列目よりも路面からの突き上げが大きく感じるシーンがあるのは致し方ないところ。それも、1、2列目のフラットライドな乗り心地が非常に優れていることから逆に目立ってしまうように思えます。

さらに、リヤゲートや後輪回りからの振動や騒音も大きめ。それでも日常的に3列目に座るというケースは少ないはずで、短時間中心であれば割り切って使えそうです。

気になる3列目の居住性は「170cmの乗員が座れる」とマツダの開発陣が表現するように、身長171cmの筆者なら長時間の乗車は上記した音・振動面から少し辛いかなと思わせるものの、非常用としては十分実用になると実感できました。

3列目の乗り心地や静粛性に少し課題を感じさせるものの、ほかの3列ミニバンと比べてとくに及ばないというレベルではなく、しかもCX-8は、サードシートの「後面衝突対策」もしっかりと施されていることも高く評価できます。乗降性も含めて、3列目はイザという時に座れれば十分と考えているのであれば魅力的な選択肢になりそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

【マツダ・CX-8試乗】CX-5とは異なる、3列シート車らしい走りのテイスト(http://clicccar.com/2018/01/06/546060/)