中国では2007年に就役した戦闘機FC−1の輸出が期待されてきたが、現在も成功していない。新浪網は3つの問題が存在すると指摘する記事を発表した。写真はFC−1。

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中国メディアの新浪網は3日、自国とパキスタンが共同開発し、2007年に就役した戦闘機FC−1が輸出に成功していない理由を分析する記事を発表し、エンジンの問題、中途半端な性能、国際的武器市場の情勢の3点を挙げた。

中国は1980年代、輸出を念頭に新型戦闘機の開発に着手した。米国は当時、1979年に中国との国交を正常化させており、文革路線を放棄し改革開放を本格化させる中国に対して好意的だった。そのため、中国の新戦闘機の開発に技術支援をする予定だった。

ところが1989年の天安門事件で中国と西側諸国の関係は険悪化。米国をはじめその他の西側諸国も支援を打ち切った。そこで中国は友好国であるパキスタンから、米国の戦闘機F−16の技術情報を得て、戦闘機開発を行うことにした。FC−1が中国・パキスタンの共同開発とされるのはそのためだ。

パキスタン空軍は2007年にFC−1を就役させたが、中国側は未採用。中国ではその後、FC−1の輸出の可能性が出てきたとしばしば報道されたが、実現していない。FC−1の生産数は現在も50機程度にとどまるとされている。

新浪網は3日の記事で、FC−1が輸出に成功していない最大の原因はエンジンの問題とした。同機はロシア製のRD−93ターボファンエンジンを搭載するが、同エンジンには欠陥が多い。かつて、中国で開催された珠海航空ショーで同エンジンを搭載した戦闘機が大量の黒煙を噴出し、多くの軍事ファンが「ディーゼルエンジンか」と揶揄(やゆ)したこともあった。

中国はRD−93に代わるエンジンの開発を断念している。そのため、第三国がFC−1を導入する場合には、エンジンの購入についてロシア側と別途交渉せねばならないことも、同機を忌避する一因という。

記事は次に、FC−1は軍事先進国にとっては中型戦闘機の基準を満たさないが、中国製武器の潜在的顧客国にとっては中型戦闘機の位置づけになると主張。それでも、性能は中途半端と指摘した。相手国が重型戦闘機を投入すれば制空権は奪取できない。さらに、搭載可能な武器の少なさなどのため、対地攻撃にも不向きという。

さらに、国際的な兵器市場は米国の強い影響下にあり、米国企業の意向に反する軍備の拡充は困難と指摘。しかも、米国は10年ほど前から、F−22、F−35の導入を進めており、F−15やF−16を大量に退役させている。その結果、FC−1より信頼性のあるF−16の中古機の価格が下落して、FC−1との価格差が縮まった。記事は、価格面の有利さも薄れたとして、FC−1の売り込みが敗北に終わっていることは不思議ではないと論じた。

記事は最後の部分で、FC−1を自主開発したことには意義があったとして、その後のJ−20(殲−20)、J−31、J−16など、より先進的な機体の開発経験を生かせばFC−1を本格的に改良することも難しくはないと主張。さらに、開発中のステルス戦闘機FC−31がFC−1に代わる輸出向け戦闘機の地位を得る可能性はより高いと論じた。(翻訳・編集/如月隼人)