パチンコの看板の「パ」だけが消えている様子をネット上でもよく目にする。それには、れっきとした理由があった

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 夜の繁華街を象徴する、「パチンコ」のネオン看板。

 しかしごくまれに、その中の「パ」だけが消えてしまい「チンコ」になってしまうことがある。その惨状を前に人は、「待ってました」とばかりにカメラのシャッターを切り、失笑を禁じ得なくなるものだが、いったい「パ」だけ消えやすいことなどあるのか? 

 看板の修理を行っているシミズ工芸さんにお話を伺った。

「パチンコの『パ』の小さい『○』の部分は、ガラス製のネオン管をグニョンと曲げるので、薄くて割れやすくなります。割れると中のガスが抜けて『○』が消え、そうすると『ハ』の通電にも異常が発生し、一緒に消えてしまうのです。よって、パチンコの『パ』は他の文字よりも消えやすい、というのは確かです」

 なんと! あの「パ」は、確かに他の文字より消えやすかったのだ。中には例外もあるようだが、長年の謎が解けた瞬間である。

「『パ』だけの修理だと、前に修理したときは7-8万円ぐらいかかりました。作業は昼間に行きましたが、下からも笑う声が聞こえましたよ。でも、高いところで作業しているので、視線などは気になりません。ですが自分でも作業していて、笑ってしまいました(笑)」

 修理作業員までをも笑わせるとは、「チンコ」看板のパワーよ、恐るべし。

 なお最近はLEDによる看板が増えていて、新しく光る看板を入れる場合は7割がLEDで、「チンコ」になるようなネオン看板は減っているそう。しかし以前からネオン看板を使っているところは、そのまま使い続けているところが多いとか。

 なおネオンの耐用年数は5〜10年ほどで、それが終わると消えてしまう運命である。それを修理する前に、ごく少ない確率で見られるのが「チンコ」となった看板なのだ。

 もし運良く、己の網膜で「チンコ」と光るレア看板の姿を見ることができたら、一生の記念にしようではないか。 <取材・文/辰井裕紀、写真提供/テキーラ>