男女が恋仲に発展するための最初のステップである、デート。

互いの愛情と絆を深めあうチャンスとなる一方で、玉砕する場合もある。

二人で同じ時を過ごし、同じ景色を見ていても、男女で感じるものは違うようだ。

あの時、君は何を思い、その行動に出たのだろうか...




優里は、僕の勤める外資系メーカーの同期で、新卒時代から仲が良かった。

美人だと評判の優里の人気はかなり高かったが、彼女には学生時代から長年交際している彼がいて、僕を含めた男性陣は皆“不戦敗”だった。

しかし最近その彼と別れたとのことで、向こうから「ご飯に行こう」と誘ってきたのだ。

-実は彼と別れちゃって。今度、二人でご飯行かない?

突然来た優里からのメールに、僕は一瞬戸惑った。

28歳になり、それぞれ転勤などがあり以前ほど親密にはしていなかったから。“二人で”とわざわざ書かれているあたりに、何か意味があるのかと勝手に勘ぐってしまう。

-もちろん!大丈夫か?美味しいもの食べに行こう^_^二人でいいの?

-うん。弘毅に話聞いてもらいたいから。

そうして、ただの同期でしかなかったはずの優里と僕の、初のデートが決まった。

しかし日程が決まった途端、僕は急に優里を女性として意識し始めた。

社内恋愛が少なくはない会社だが別れた時のことを考えると、“初めの一歩”が踏み出しにくい。しかし、優里だったらいいかな...。そんな妄想を膨らませていた。


ただの同期から、特別な仲に発展させるために必要なこと


Q1:「今彼女いるの?」と女性が聞いてくる意味はなに!?


優里との初デートは翌週の金曜だったが、その日は想像以上に早くやって来た。朝、優里にLINEを送る。

ーどこ行きたい?気になってるお店とかある?
-どこでもいいよ。弘毅に任せる!

同期らしいあっさりとしたやり取りを終え、店を予約した。

同期とは言え、僕は優里の食の好みも今住んでいる家の場所も何も知らないことに気がつく。

とりあえず銀座ならば会社から程よい距離にあるし、間違いはないだろう。そう思い、気になっていた『アジル』を予約した。




「二人きりで食事なんて、初めてじゃない?」

優里の大きな瞳で真っ直ぐ見つめられると照れくさくて、僕は思わず手元のグラスに視線を落とす 。

「たしかになぁ。付き合いは長いのに、二人きりは初めてかな。」

僕は妙に意識してしまい、全く優里の方を見れずにいると、その気持ちを悟ったかのように話を振ってくれた。

「最近、仕事はどうなの?忙しい?」

「そうだなぁ。今のプロジェクトが落ち着いたら少しはゆっくりできるかも。そう言えば、この前ユズルが婚約してさ...」

同じ会社だと、話すネタが尽きない。

真面目な仕事の話をはじめ、同期や上司の話、社内事情など話すことは山ほどある。そして優里は元々ノリの良い性格のため、とめどなく会話は続いた。

「やっぱり、話が合う人っていいよね。弘毅と一緒にいると、楽しいな〜。」

不意に呟く優里に、僕は戸惑う。これは遠回しに褒められているのか?

「どうして?前の彼、話が合わなかったの?」

「うん、最終的に別れた原因はそこなんだよね...。だから次に付き合う人は、話が合う人にしようって、決めてるんだ。」

そうなんだ、と言いかけた瞬間に、優里から発せられた質問に思わず箸を持つ手が止まった。

「ちなみに弘毅は、今彼女いるの?」

この質問は、“友達”として聞かれているのか、それとも“異性”として聞かれているのか・・・

「い、いないよ。」

「そうなんだ。良かった。」

-良かった!?良かったって、どういう意味だ?

“美味しいね〜”なんて言いながら呑気に食事をしている優里に、僕は完全に掌で転がされている気がした。

結局、この日は近況報告とたわいもない会話しかしていなかったが、終始僕たちは笑いあっていた。

-いいデートだったな。

お互い、純粋にそう思っていたに違いない。


初回のデートは大成功?しかし2回のデートで弘毅が犯していたミス


Q2:デートの内容は良かったはずなのに。彼女がNGを出した理由は?


そのまま僕たちは微妙な距離感を保ったまま、次のデートを迎えた。

毎日LINEのやり取りは何となく続いており、ただの同期から次のステップへいきそうな雰囲気だった。

-何か食べたい物ある?

当日、優里にLINEを送る。今夜は土曜日、どこへ行こうか・・。

-この前和食だったから、イタリアンとかどう?

イタリアンか。イタリアンだったら、東銀座にある魚介イタリアン『ラ・ボッテガ・デルマーレ』にしよう。

-OK。とりあえず20時に銀座のミキモト前集合で^_^

そうして、僕たちは待ち合わせをして店へ向かった。

「今日はどこ行くの?」

銀座で待ち合わせ、東銀座まで歩く。今日も優里は美しい。

「魚介のイタリアンだよ。うまい店があるから。」

その宣言通り、『ラ・ボッテガ・デルマーレ』で、優里は感嘆の声を上げた。

「美味しいね〜。このイワシのオーブン焼き、大好き!」




相変わらず、よく飲みよく食べる豪快な優里を見て、僕は嬉しくなる。

段々とワインが回ってきた僕を見て、優里は可笑しそうに微笑んだ。

「弘毅ってさ、会社で会う時と外で会う時の雰囲気が違うよね。」

「それって、どういう意味?私服がダサいってこと?(笑)」

「違う違う!うまく言葉にできないけれど、雰囲気が違うなぁと思って。」

「そうかな?」

その言葉の真意は分からなかったが、あっという間に僕たちは食事を平らげた。

「もう一軒行こうか。」

外に出ると、まだ22時半だった。解散するには早すぎる。

「いいよ!この界隈で、どこかいいお店知ってる?」

たしか、この界隈に何軒かいいバーがあったはずだ。

「この前行ったバーが良かった記憶があるんだけど。そこに行ってみる?今日土曜だから多分入れるはず。もし入れなかったら、別の所へ行こう。」

そう言って優里の手を引いて歩こうとした途端、優里は突然立ち止まり、何かを思い出したかのように大きな声を出した。

「大変!明日早いのすっかり忘れてた〜!」

「え?明日、早いの?」

あまりにも嘘っぽい言い訳に、思わす間の抜けた声が出る。

「ごめん、うっかりしてた。今夜は帰らないと。弘毅、またね。」

そう言って、優里は駅の方へ向かって歩き始めた。慌てて背中を追うものの、一向に追いつけず、僕は冷たいビル風が吹く銀座の夜に一人取り残された。



そこから、結局僕たちは“ただの同期”に逆戻りした。

もう一度二人で食事に行こうとしても、優里は他の同期を誘ったり断ってきたりで、全く相手にしてくれない。

1回目のデートでは、確実に手応えがあった。
2回目のデートでも、特に悪い節は思い当たらない。

一度は距離が縮まったかと思ったのに...。僕はどこでミスを犯していたのだろうか。

▶NEXT:1月7日日曜更新予定
女が一気に冷める、男の行動:デートの答えあわせ【A】

<これまでのデートの答えあわせ【Q】>
Vol.1:2軒目のデート開始30分。彼女が「明日朝が早い」と突然帰宅したのは、ナゼ?
Vol.2:2人きりでの食事・デートの誘いに乗ってきた。=“脈アリ”じゃないの?
Vol.3:初デートは「19時、駅に待ち合わせで。」このNGポイントはどこ!?
Vol.4:私の、どこがダメだった…?会話も、化粧も服装もすべて完璧だったのに
Vol.5:初デート。「もう1軒行かない?」と言われた時に男が取るべき行動とは
Vol.6:デートの重要なポイント、店選び。女が男を“友達”だと判定した理由とは?
Vol.7:デートにおける永遠のテーマ、お会計問題。どう振る舞うのが女として正解なの?
Vol.8:2対2の食事では全然話せなかったのに。デートで彼女の心を掴んだ平凡男の勝因とは
Vol.9:デート中、体を寄せてきた彼女。ボディタッチ多めなのに、ナゼ答えはNGなの?
Vol.10:「こういうお店、大好き♡」デート中は楽しんでいた彼女の態度が急変した理由
Vol.11:料理大好き、気配り完璧♡男心のツボは押さえても、次に繋がらないのはナゼ?
Vol.12:俺の話に「すごい♡」を連発してたのに。女心を掴めぬ男の、致命的ミスとは
Vol.13:スタイル抜群で、男の心を鷲掴み♡でも男が追ってこない女の盲点