“ファレル流”が全面に出た軽快なファンク・チューン / 「ステア・フライ」ミーゴズ(Song Review)

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 2017年は、彼らにとって最高の1年だったに違いない。通算3週の全米No.1を獲得したブレイク曲「バッド・アンド・ブージーfeat.リル・ウージー・ヴァート」をはじめ、「Tシャツ」や「スリッパリーfeat.グッチ・メイン」など、ヒット曲を連発したミーゴズ。また、メンバーのクエヴォとオフセットは、フィーチャリング・アーティストとしても多くの楽曲に抜擢され、彼らの名前を見ない日はない……といっても過言ではないほど、目覚ましい活躍を遂げた。

 そして現在大ヒットしているのが、新曲「モータースポーツ」。この曲は、ニッキー・ミナージュとカーディ・Bの2大フィーメール・ラッパーが参加した話題作で、最新チャート(2018年1月3日付)では全米ソング・チャート6位、R&B/ヒップホップチャート3位まで上昇している。同曲は、3作目のスタジオ・アルバム『カルチャー2』からの先行シングルとしてリリースされたもので、この曲に続くニュー・アルバムから2曲目のタイトルとして12月20日に公開されたのが、「ステア・フライ」。

 ミーゴズといえば、前述の「バッド・アンド・ブージー」など、低音響く重ためのトラップが代名詞だったが、「ステア・フライ」はファレル・ウィリアムスによるプロデュースということで、これまでの楽曲とはタイプの違う、“ファレル流”が全面に出た軽快なファンク・チューン仕上がっている。70年代っぽいのは、アラン・ホークショウ率いるファンク・ユニット=ザ・モホークスの名曲「ザ・チャンプ」(1968年)をサンプリングしているから、ということもある。ちなみに、同曲は現在までに500曲以上に使われている、いわゆる“定番の大ネタ”としても有名。

 タイトルを中心にして、四方に亞特蘭大、北邊、文化、炒菜と漢字で書かれた文字が、ネオンライトのように浮かび上がっているジャケット・アート。炒め物という意味の「ステア・フライ」にかけてユニークな表現が飛び交うが、ハッキリ言ってしまえば大したことは歌っていない。ただ、この曲の魅力はやはりサウンドと彼らの巧みなラップにあり、跳ねるように言葉を刻むフロウは、全盛期のジェームス・ブラウンに近いノリで、思わず腰が浮く。じっくり聴くのではなく、感覚で楽しむタイプのナンバーだ。

 著作権問題に揺れた、マーヴィン・ゲイの「黒い夜」(1977年)を引用したロビン・シックの「ブラード・ラインズ」(2013年)以降、ファレルのサウンド・センスもさらに磨きがかかり、N.E.R.Dとして12月15日にリリースしたばかりの新作『ノー_ワン・エヴァー・リアリー・ダイズ』も、文句ナシの出来栄えだった。ミーゴズの新作にファレルがどこまで関与しているかは明らかになっていないが、「ステア・フライ」の完成度の高さから、再タッグも期待したいところ。

 「モータースポーツ」と「ステア・フライ」が収録される予定の新作『カルチャー2』は、2018年1月にリリースされるとアナウンスされているが、具体的な発売日などは発表されておらず、参加アーティストやプロデューサーも明らかになっていない。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
「ステア・フライ」
ミーゴズ
2017/12/20 RELEASE