総務省は26日、4G向けの新たな周波数(1.7GHz帯、3.4GHz帯)を割り当てる案へのパブリックコメントをとりまとめた。意見を踏まえ、同日、電波監理審議会に諮問したところ原案で良いとの答申を得ており、2017年度末の周波数割当に向けて準備を進めていく。割当案に対しては携帯各社のほか、第4の携帯電話会社を目指すことを表明した楽天からの意見も寄せられている。

 総務省の方針としては、1.7GHz帯2枠、3.4GHz帯2枠という割当枠がある。また1.7GHz帯で、東名阪以外のみを対象とする周波数も割り当てられる予定。免許を求める事業者には、必ずクリアしなければならない条件などが掲げられ、もし割当予定枠よりも多い事業者が名乗りを上げれば審査の上、割当先が決まる。

 審査されることになれば、既存事業者よりも新規参入が優先される。今後は1月〜2月に申請を受け付け、3月末ごろ免許が割り当てられる。割当予定の周波数は、現在、別の用途で利用されている。1.7GHz帯は4G用として利用できる時期は地域によって異なり、たとえば2018年度中に関東、中国(山陽)、四国、九州北部で利用できるようになる。

楽天の主張

 総務省の割当案への意見として楽天が提出した意見からは、携帯電話事業への参入についての考え方が透けて見える。たとえば新規参入を優先するという方針には賛同し、「イノベーションの創出を促進するため、新規参入へ優先的に開放することを強く要望する」とコメント。既存事業者にはこれまでに多くの周波数が割当済みであり、もし今回も追加割当されるのであれば、MVNOや「第4の携帯会社」に対して、既存の携帯会社が持つ鉄塔などを安くスピーディに提供することを求めている。こうした意見から既存キャリアのネットワーク設備を借りたい、という考えを持っていると言えそう。

 またエリア整備コストを意識したのか、都市部(人口密集地)とそれ以外で利用する技術は異なる形にしたい、といった意見を提出。さらに「電波が繋がりにくい地域の基地局設置は、すでにその近くまでエリア整備している既存キャリアに比べて時間が足りない」と指摘。審査では新規参入事業者については基地局の設置時期や設置数を緩和してほしい、と要望する。これに総務省は「エリア化できていない地域において、新しい周波数帯でエリア対策をするなら、新規・既存の間で大きな差はない」と否定的な回答をしている。

大手キャリアの主張

 2つの周波数への名乗りを決めているNTTドコモは割当案に賛同するコメントとともに、割当後にかかる費用など、実務に関する意見を提出。

 1.7GHz帯を持っていないKDDIは、「既存キャリアでも、当該周波数帯を持っていなければ新たな設備投資が必要」として、新規事業者と同じように扱ったり、あるいは他の既存キャリアより優位に扱ったりするよう求めたが、総務省は「保有済みの周波数全体を使ってトラフィックを処理しており考慮する必要はないと考える」とコメント。

 ソフトバンクは、5Gが導入される時期を踏まえ、4Gだけではなく、Massive MIMOのような5Gを想定した技術を取り入れたり、5G基地局を設置したりできる形にすることを要望。これに総務省は「5Gの技術基準も踏まえて検討していく」と回答。また割当予定の周波数のうち、1.7GHz帯のうち全国で利用できる帯域(全国バンド)の一部が予定よりも早く利用できるのでは? とも指摘している。このほか審査基準として、通信モジュールの存在も踏まえて単純に保有する周波数で契約者数を割り算するだけでは「真の逼迫度合いは評価できない」として、都市部の逼迫状況で比べるといったアイデアを出しているが、総務省は「モジュールの違いは限定的で、考慮する必要は薄い」とした。