井上尚弥【写真:Getty Images】

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ボワイヨ戦で記録した1ラウンド平均のジャブ数36は現役ボクサー最多

 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(大橋)は昨年12月30日、同級6位のヨアン・ボワイヨ(フランス)に3回TKO勝ちでV7を達成。圧倒的な強さは世界中に知れ渡ったが、そのジャブもボクシング界トップクラスであることが明らかになった。米ボクシングサイト「ボクシングシーン.com」が報じている。

 井上は第1ラウンドに相手の顎を的確にとらえてダウンを奪うと、第3ラウンドには立て続けに3度のダウンを奪取。3ラウンド1分40秒で決着をつけてV7を果たし、戦績を15戦15勝(13KO)とした。記事では、「ナオヤ・イノウエはCompuBoxのプラスマイナス・レーティングで3位に躍進する」と特集を組んでいる。

「CompuBox」は、パンチのヒット数とヒット率をスコア化する全世界で活用されているコンピューターシステム。ジャブと強打のスタッツからボクサーを格付けしているが、ボワイヨを圧倒した「Monster」はデータ上もボクシング界屈指だという。

「イノウエは1ラウンド当たりに現役ボクサー最多となる36回のジャブを放った。イノウエはただジャブを放っただけではない。彼はヒットさせている。1ラウンド当たり9発というのは、わずかゲンナジー・ゴロフキンに次ぐ2位だ」

 記事によれば、井上の放ったジャブ数(36)は全17階級のプロボクシング界で最多。2位はライトヘビー級で元世界王者5人を撃破している“チャンピオンキラー”のアンジェイ・フォンファラ(ポーランド)の33.8回だった。1ラウンド当たりの平均ジャブ数23.1回に対し、井上は13回も多く手数を見せている。

ジャブ成功数はゴロフキンに次ぐ2位、攻守の相対レーティングでも3位にランクイン

 井上は成功数も多い。 1ラウンド当たり9回は現WBA世界ミドル級スーパー王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の10.4回にわずかに劣るが、ボクシング界で2位の好成績だ。CompuBoxによる1ラウンド平均ジャブ成功数は4.7回で、井上は2倍近い数値を叩き出している。

 さらに、ディフェンス力の高さもデータで証明されている。相手のパンチ成功率は21.2パーセント。これはボクシング界で9番目に少ない被弾率だ。攻守のデータを相対的に評価したレーティングでも、WBO世界スーパーフェザー級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の+19.4ポイント、元WBOスーパーライト級王者テレンス・クロフォード(米国)の+14.6ポイントに次ぎ、+13.3ポイントでボクシング界3位という高評価を手にした。

 井上を凌ぐデータを残した3人はいずれも現在最強と呼ばれる実力者。米ボクシング専門誌「リング」が17階級のボクサーを比較した「パウンド・フォー・パウンド」でゴロフキンは1位、クロフォードは2位、ロマチェンコは3位。井上も7位に堂々と君臨している。

 一撃必殺の強打のみならず、ジャブも“モンスター級”の精度を誇っていることがデータでも証明された。(THE ANSWER編集部)