1月13日(土)公開の映画「ホペイロの憂欝」で主演を務める白石隼也

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弱小プロサッカーチームの裏方に焦点を当てた映画「ホペイロの憂鬱」が1月13日(土)より公開される。

【写真を見る】白石隼也は「寒いことは憂欝です」と照れ笑いを浮かべた

主演を務める白石隼也は2007年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞し、2012-13年には「仮面ライダーウィザード」(テレビ朝日系)にて主人公を演じるなど、着実にキャリアを積んできた実力派俳優だ。

自身も大のサッカー好きという白石が、サッカー業界の職業「ホペイロ」(=ポルトガル語で用具係)として奮闘する坂上栄作を演じたことはある種の必然のようなものを感じる。

真面目な人柄を感じさせるように白石はどんな問いにも真摯(しんし)に言葉を紡ぎながら今回、本作の見どころ、自身について存分に語ってくれた。

――「ホペイロ」という聞きなれない役柄でしたが、ご自身はその存在を知っていましたか?

もちろん知っていました。でも、南米とかサッカー先進国では結構ホペイロという仕事は確率されていますけど、日本においてはまだそこまでっていう感じなんですよね。

ほとんどの人があまり知らないですし、サッカーが好きな人でも意外と知らなかったりしますよね。

――白石さんはよくご存知でしたね!

僕はJリーグが好きなので、各チームのスタッフさんの一覧などを見ています。どういう人が入っているのかとか、どういう経歴の人がいるのかとか興味がありますね。

――興味の間口が広いからこそぴったりの役柄だったのでは?

全体像を見てスポーツを楽しむのが好きなんですよね。でも「ホペイロ」という仕事は知っていても、詳しくどういう仕事をしているのかっていうのは分からなかったんです。

実際にクラブでホペイロをやっていた方からいろいろお話を聞いて、それが結構役作りに生かされていました。

お忙しい方なんですけど、お時間作っていただいてスパイクの扱い方だったり、他にどんな仕事をしているのかを聞かせてもらう時間をかなり多く作って、撮影中もアドバイスをもらいました。

――劇中で選手のスパイクを磨くシーンは役柄を象徴する場面だと思いますが、とっても手先がきれいでした。

本当ですか? あれも練習しました。コツはもちろんありますが、どれだけあの動きが手になじむかってところなので、暇さえあればとにかくずっと磨いていました。あまり普段は靴を磨くことって少ないので、ブラッシングの大きさとか、どう持ったらハマるのかとか、家でずっと自分の靴で練習してきました。

――坂上栄作という役にはどう向き合いましたか?

坂上は、夢と希望はものすごく大きいものがあるんだけど、まだ自分のキャリアとか経歴とか実力が追い付いていない、ある意味、僕自身に近いような役柄だったので、割と親近感がありました。

というのも、ホペイロって僕らの仕事とも結構通ずる部分があるなと。役者という職業は、誰からも求められてないんじゃないかと思うことがたまにあるんですよ。

別に僕がいなくなっても…と考えてしまったり、ただどこかで“僕じゃなきゃできないものがある”と思っているところもあって。この坂上も自分の仕事をそういうふうに思っているんじゃないかなって。

あと、圧倒的にサッカーが好きだっていう思いでやっているというのは自分に近いのかなって思いましたね。原作を読んだ時も、作品にすごくサッカー愛に満ちあふれていて、そこが非常に読んでいて良かった。

自分がサッカーを好きだからこそ、入り込めたっていうのもあるし、あんまり適当なこと書いてあったら気になっちゃうじゃないですか。

そんなこともなくて、むしろすごく自分が思っていることと似ていたので、うまく演じることが出来るんじゃないかなって原作を読んだ時にも思いました。

――加治屋彰人監督とは撮影前にどういったお話をされましたか?

監督はあまりサッカーを見たことのない人なんで、とにかくサッカーとかJリーグとはこういうものだっていうのをずっと僕が説き続けました(笑)。

しまいには「(映画の)サッカー指導とか頼むわ」って言われたぐらい。

撮影が始まると僕も不安なことがあって「明日のシーンなんですけど」って毎晩電話をかけていたので、結構うんざりしながら出てくれていました(笑)。

でも、ある時間を過ぎると出なくなるんですよ(笑)。監督とは年齢も近いですし、一緒に作っていこうという思いが強かったので、たくさんお話させていただきました。

――現場で大好きなサッカーをする機会も多かったのでは?

僕はサッカーをするシーンはなかったんですけど、選手役の方々は撮影以外でも練習をやっていたので、そこに混じって一緒にやっていました。部活動みたいで楽しかったです!

作品に出てくるキャラクターたちがほぼ全員一つの組織(サッカークラブ)に属しているので、仲間という意識が強いですし、和気あいあいと出来て、やりやすかったですね。

――映画のタイトルにちなんで白石さんが「憂鬱だなぁ〜」と感じていることを教えてください

寒いことですね! 朝、寒い中起きるのが苦手で、本当ダメですね。暑いのもちょっといやなんですけど、寒いとおなか壊しちゃうんですよ!

対策はとにかく着込むようにしています。薄着の男性も多いですが、僕はかなり着込んでいる方。腹巻きも小さい頃はよくしていて、最近は持っていないので、またちょっと買ってみようかな。早く暖かくなってほしいな〜。

――2017年はどんな年でした?

27歳になって、30歳が間近に迫ってきたっていうのを強く感じた年ではありましたね。早く大人になりたいというか。

20代前半から早く大人になりたいっていうのをすごく感じていました。生意気って言われることも、もう少し年齢を重ねたらそれが薄れるのかなって思って。

苦労話とかできるようになったら、もっと説得力が増すのかなとか、そういう思いが漠然としてあったんです。

そういう年齢を感じた年だからこそ、祖父と祖母が元気なうちに何か孝行したいなと、強く意識した年になりましたね。

親父もことしで還暦を迎えて、自分もそろそろちゃんと自立して、もし親父が倒れた時や病気をした時とか、僕が面倒見ていけるようにならないといけないってすごく感じたから、もうちゃんとやらないとって。いろいろ考えました。

――そんな思いがお仕事への姿勢にも何か変化させましたか?

仕事に対してのスタンスは変わっていないんですけど、納得いくものを作っていきたいなって思うようになりました。若い時は何でも出演出来たらいいって思いがどこかにあって、でも今はちゃんと自分が納得したものに出たいし、出たからには納得できるものを作りたいなって。

今回、「ホペイロの憂鬱」でも、久々の主演映画でそれを強く思ったというのもありましたね。そういうのが空回って監督に毎晩電話しちゃったのかな(笑)。

――2018年はさらにご自身に負荷をかけていく年になりますか?

焦ってもしょうがないと思っているので、ぶれずに一個一個誠実にやっていくしかないかなと思っています。

プライベートでは、海外でサッカーをやっている友達の試合を現地まで見に行きたいなって。同い年の友達なので、サッカー選手としてプロのピッチに立っている姿を見たいなって。いい刺激になるんじゃないかなとも思うし、単純に彼らの生きざまを見てみたい。

――たくさんすてきなお話をありがとうございました! 最後に見どころをお願いします。

舞台はサッカークラブですが、描かれているのは一つの組織や会社の中でそれぞれ違った役割を持った人たちがどういうふうに自分の仕事をして、そして周りと協力していけば組織として、どううまく回るのかということが描かれている作品だと思っています。

ある意味仕事論というか、仕事との向き合い方というかそんな作品にもなっているんじゃないかなと思います。サッカーに興味がある方、特にJリーグが好きな方には共感してもらいながら、自分が好きなクラブと重ねて見てもらえると思いますし、サッカーに興味がない方でも、働く人そして、組織や学校、コミュニティーに入っている人なら共感できる映画になっていると思いますので、ぜひこの映画を選んでもらえるとうれしいです。

また、ホペイロという職業の地位向上、これからホペイロになりたいと思っている人たちのモチベーションになれば、光栄ですね。(ザテレビジョン・取材・文=中村リリー)