フジテレビの凋落が止まらないと報道されている。だが、調子がいいテレビ局と調子が悪いテレビ局の差などもはやない。テレビ業界はすでに想像以上の構造不況業種になってしまったからだ(写真はイメージです)

写真拡大

フジテレビだけにあらず
好調なテレビ局などもはやない

「フジテレビの凋落が止まらない」という報道がある。長寿バラエティ番組の『めちゃ×2イケてるッ!』『とんねるずのみなさんのおかげでした』の打ち切りが決まったことは、視聴率の低下と番組制作予算の払底を象徴する出来事とされている。

 一方で、「日本テレビが絶好調だ」「テレビ朝日が日テレの週間三冠王記録をストップさせた」といった、好調なテレビ局についての報道もある。さて、テレビ業界に本当に「調子のいいテレビ局」と「調子が悪いテレビ局」があるのだろうか。

 実は、これから先はもう、調子のいいテレビ局など存在しなくなる。なぜならば民放テレビ局はすでに構造不況業種だからだ。なぜ民放は構造不況業種なのか、なぜ構造不況業種になると儲からなくなるのか、その3つの理由を解説しよう。

 まず1つ目の理由。「テレビとはそもそも何だろう」ということから考えてみると、わかることがある。視聴者から見ればテレビは無料の娯楽だが、ビジネスとして見ればテレビは広告メディアである。テレビはかつて2兆円産業と言われていた。この金額はテレビ局にスポンサーが支払う広告費の合計だ。

 テレビの広告収入規模は今では1兆8000億円へとやや目減りしているが、それでもテレビは今でも日本最大の広告メディアである。過去15年間のトレンドを見てみると、新聞や雑誌の広告量は悲惨なほど急激な下降トレンドを描いているが、テレビはそれほど下がってはいない。「テレビへ広告を出すのが最も効率がよい」と考えるクライアントが、まだまだたくさん存在しているからだ。

 でも、この先どうなるかが問題である。普通に周囲を見回せば、以前のように「テレビが一番見られているメディアである」と言えないのは、読者の皆さんもご理解いただけるだろう。そう、今一番見られているメディアはスマホである。

 統計を見ると、今でも家庭のテレビはスマホがなかった時代と同じくらい見られている。以前、ゴールデンタイムの視聴率合計は75%と言われていたが、今でも60%の水準をキープしている。

 しかし以前と違う点は、テレビは「ついているだけ」の状態であることだ。テレビをつけながら家族はみなスマホの画面を眺めている。ちょっと面白そうなシーンになるとテレビ画面に目を移すが、CMが始まると皆、スマホに目を落とす。

 つまり、「一番見られているメディアだから一番広告費がたくさん落ちてくる」という基本前提がすでに崩壊している。これがテレビ業界が構造不況である1つ目の理由だ。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)