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リペア・ツールを提供する米iFixitが「iMac Pro」の分解レポートを公開した。内部にアクセスするのが困難ではあるものの、メモリーとCPUが取り外し可能になっており、リペアビリティスコアを「3」 (10点満点)としている。

昨年12月に発売されたiMac Proは、プロユーザーのニーズに応えるワークステーションクラスの性能を持つiMacだ。CPUにIntel Xeon Wプロセッサ、グラフィックスにRadeon Pro Vegaを搭載する。外観デザインは本体カラーにスペースグレイが採用されている以外は27インチのRetina 5K iMacと同じだが、内部のデザインには相違点が多々ある。

いくつかのレビューで、iMac Proの優れている点の1つとして静かで熱を帯びない動作が指摘されているが、ディスプレイを外すと大きなデュアルファンを備えた冷却システムが現れる。Fusion Driveを選択できるRetina 5K iMacに対して、iMac Proのストレージは筐体が小さいSSDのみ。その違いで空いたスペースに大きなデュアルファンが広がっており、また背面の吸排気口もRetina 5K iMacより大きく、大きな空気の流れで効果的に内部を冷却する。

Retina 5K iMacは、背面に用意された扉からユーザーがメモリースロットにアクセスできる。iMac Proでは、その扉が省かれている。言い換えると、分解することなくユーザーがメモリーを交換する方法が省かれたが、メモリーがロジックボードに固着されているわけではない。メモリーはスロットに標準的な288-pin DDR4 ECC RAMがはめ込まれており、iFixitが32GB Maxxer RAM 4本 (128GB)に交換したところ、問題なく認識された。ただし、ディスプレイを外し、ロジックボードも完全に取り外さないとメモリースロットにはアクセスできない。一般ユーザーにはリスクの高い作業になる。

CPUも取り外し可能だが、アップグレード可能であるかは不明。iFixitは「IntelによるApple向けのカスタマイズ・チップに見える」としている。またPCIeベースNVMe SSDもApple EMC 3197 (model 656-0061A)となっており、ストレージもアップグレード可能であるかは不明。グラフィックスのRadeon Pro Vegaはロジックボードに固着されている。

iMac Proの肝はT2チップ

SSDスロットの近くに2つのAppleブランドのチップがあり、1つは不明 (iFixitは電源管理チップと予想)、もう1つは「T2」チップだ。T2は、システム管理コントローラ、画像信号プロセッサ、オーディオコントローラ、SSDコントローラなど、従来のMacに搭載されていた様々なコントローラとSecure Enclaveコプロセッサを統合したチップになっている。セキュリティやユーザーの利用体験に大きく影響するコントローラを、自らデザインしたチップに統合することで、他にはないMacシステムならではの信頼性と体験を作り出している。

iFixitの分解レポートではユーザー自身による修理の可能性やアップグレードの可能性に評価ポイントが集中するが、一方でT2チップと細部までデザインされたハードウエアが連動して実現する利用体験がiMac Proの大きな特長になっている。Jason Snell氏がMacworldに寄稿した「iMac ProをMac革命の"始まり"にするT2チップ」の中で、同氏は「(iMac Proは)確かに最速のMacだが、真の違いを生み出しているのはT2チップだ」と指摘、「(iMac ProにA10 Fusionが搭載されるという)噂で人々が期待したものとはおそらく異なるとは思うが、iMac Proは間違いなく一種のハイブリッドである」と述べている。iMac ProでiOSアプリが動作することはないが、AppleがiOSで培ってきた写真やビデオの処理技術、セキュリティ、メディア体験などがMacの向上に活かされている。

他のパーツでは、ステレオスピーカーがアップグレードされており、その鳴りの良さやHomePodも同じ時期の発売が予定(2018年前半に延期)されていたことから、HomePodと連携して広い音場を作れる可能性をiFixitは予想している。電源は500w。ディスプレイはLGのLM270QQ1。iFixitが分解したRetina 5K iMacが搭載していたディスプレイと同じモデルだ。