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もくじ

ー5代目VWゴルフGTIの基礎知識
ー考えるより走れ! 「GTIの復権」
ーAUTOCAR記者の今の評価は?
ー「買い!」と思ったアナタに…… 最後のアドバイス

5代目VWゴルフGTIの基礎知識

・製造:2005年〜2008年
・最高出力:200ps
・現在価格:2000〜7000ポンド(30万〜106万円)

2005年に登場したフォルクスワーゲン・ゴルフGTI。当時の評価は、かなり高かった。不評だった4代目のパフォーマンスを改め、「GTI」という誇り高き称号を復権させたのだ。

あれから13年。5代目ゴルフGTIへの賛辞は、すっかり忘れ去られた。初期型なら2000ポンド(30万円)以下で見つかるし、状態の良いタマでも、5000ポンド(76万円)で手に入る。新車価格が2万ポンドだったことを考えると、なんとお手頃なことか。

10年以上前のモデルとなるわけだが、スタイリングは今見ても新鮮。ゴルフは、過去のデザインを受け継ぎながら時間をかけて進化する。小ぶりなリアスポイラー、彫りの深いバンパー、赤いラインが入ったグリルなど、GTIの象徴的なポイントが、5代目にも散りばめられているのだ。

ヘッドレストにGTIのエンブレムが入るシートは、高速コーナーでも身体をしっかりサポートする。車内の雰囲気は、その他の世代と共通点が多く、まさにゴルフそのもの。
 

考えるより走れ! 「GTIの復権」

シフトノブやクラッチペダルなどは、ややもすると軽すぎる嫌いはあるが、操作はしやすい。2.0ℓ直4ターボのアイドリング音はとても静かだから、エンジンスタートの儀式に特別感はない。ドラマティックではない分、ご近所との関係を壊す心配も無用だ。

しかし、このエンジンは只者ではない。走り出しただけでは分かりづらいが、非常にフレキシブル。田舎道を4速まで使い走り回ると、おもわず顔がほころんでしまう。ペダルを踏み込むと、あっという間に100km/h。速度制限の標識は見落とさないよう心掛けたい。

カタログスペックは200psと28.5kg-mだが、実際はもっと力強く感じる。現行のゴルフRほどではないにしても、ターボを効かせて弾かれるような感覚があり、交通の流れを余裕をもってリードすることができる。クルマ社会のヒエラルキーをものともしない力が、確かに存在するのだ。

そのうえ、ハンドリングは特筆に値する。メガーヌ・ルノー・スポールがサーキットの勝者なら、公道はGTIだ。道路の轍やうねりを受け流す底力は、実に頼もしい。 コーナリングの途中で、おもいもよらぬバンプに遭遇しても、挙動を乱さないグリップ性能には惚れ惚れしてしまう。
 

AUTOCAR記者の今の評価は?

唯一注意が必要なのは、スタイリッシュにダイヤモンドカットされた、18インチのモンツァ・ホイールだ。17インチの方が静粛性も、ハンドリングも、乗り心地も優れている。今回撮影したのはフォルクスワーゲンの管理車両だ。走行距離4000km足らずの新車に近い状態なので、距離を重ねた個体ならその傾向はさらに強いはず。

18インチはハンドリングをいくぶんシャープにしてくれるが、ほとんどのドライバーは気づかないほどの差だ。ステアリングは切り足していくと、自然に重みが増していく。しかし、電動パワーステアリングということもあって、潤沢なフィードバックは期待できない。

それでもGTIの核心は、日常性を失わないハッチバックということだ。座り心地の良いシートと大きなラゲッジスペース。高い実用性を備えている。そんな見た目とは裏腹に、エンスージアスティックな作り込みが加わり、一般道ではスポーツカーが手を焼くような性能を隠し持っている。

こうしてみると5代目ゴルフGTIは時と場所を選ばぬ優れたクルマだと改めて思う。最高のホットハッチとして、殿堂入りを果たすべきだと断言しておこう。
 

「買い!」と思ったアナタに…… 最後のアドバイス

購入時の注意点

ホイールアーチ周辺の錆には要注意。早めに対処すれば、その分費用も安く済む。 また、エアコンの動作確認を怠ると後悔することに。新品のコンプレッサーは安くない。

タイヤの編摩耗もチェック項目だ。フロントの状態がひどいと、サスペンションブッシュの交換が待っている。リアの場合はアライメント調整で対応可能だ。ESP警告灯の点灯は、高額なABSユニットの交換を覚悟しよう。

加えて一言 読者の皆さまに

5代目ゴルフGTIは、他のクルマにはない可能性を秘めている。たとえ運転に興味のない人でも、ある時その面白さに気づかされる天性が宿っているのだ。