専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第137回

 みなさん、ゴルフコースにおける「ゴルフ場」と「カントリー倶楽部」の違いを知っていますか。

 予約が自由で、誰でもプレーできるのがゴルフ場。つまり、パブリックコースのことで、片やメンバーシップのコースなのが、カントリー倶楽部ではないのか?

 はい、まさにそのとおりです。

 でも、カントリー倶楽部って、いったい何ですかね?

 簡単に言うと、ゴルフを共通の趣味として集う親睦団体です。そういう団体メンバーが何百万円もする会員権を買って、みんなでゴルフ場を運営しているのです。

 理想が高かった頃は、メンバーか、メンバーの紹介者以外は、プレーできませんでした。そこでは、厳しいマナーのもと、紳士淑女が集い、ゴルフを楽しみ、社交をしたのです。

 ちなみになんですが、先日、超名門コースでラウンドし、そのマナーに従って、やや面倒で、苦しい思いをした話を少々。

 冬場ですから、当然ジャケット着用でコースに向かいます。ジャケットだけでは寒いので、普段はその上にダウンなんかを着込んでいくのですが、超名門ゆえ、長めのトレンチコートなどをわざわざ出して、それを羽織っていくことにしました。

 ラウンド中も、大好きなカーゴパンツが禁止なので、地味なスラックスでプレー。非常にオヤジ感漂うラウンドとなりました。

 そのうえ、ゴルフ場への行き帰りに革靴を履いて移動したものだから、持病の外反母趾が悪化して、歩きづらくなりました。普段はスニーカーを緩く履いているのですが、そんなこともできず、つらかったです。

 そうそう、しかも歩きのラウンドには、ほんと参りました。名門倶楽部って、高いお金を払うのに、カートも導入していないのですから、丸儲けじゃないですか。屋根のないオープンカーのほうが、普通のセダンより値段が高いのと一緒ですかね。

 まあ、実際にプレーが終わってみれば、素晴らしいレイアウトにうっとり。歩きのプレーも久しぶりに達成し、まだまだゴルフをやれるな、と実感しました。料金が高いだけあって、満足感も相当あったのは確かですけどね。

 というわけで、古きよき名門倶楽部は誘われれば行きますけど、堅苦しいので、年に1〜2回ぐらいですかね。

 今から50年ぐらい前のカントリー倶楽部は、みんなこんな感じでした。

 ところが、ゴルフ業界のバブルが崩壊。すなわち会員権相場が暴落し、経営母体が経営危機となるケースが続出、次々と身売りして、それらの会員権は紙くず扱いとなってしまったのです。

 結果、どうなったのか。

 会員のみの運営では到底立ち行かなくなり、インターネット予約などを使って、ビジター客を大量に動員するようになりました。だから、日本のカントリー倶楽部のおよそ9割は実質的に”セミパブリック”なんですね。

 そして現在、問題になっているのが、そんなふうにしてセミパブリックとなったコースが、ビジター客に対して、カントリー倶楽部のルールを押し付ける、というものです。

 例えば、カントリー倶楽部側は、「メンバーからのクレームが多いので、マナーを守ってジャケットを着用してください」というわけですよ。

 でも、ビジター客側からすれば、「ネットで普通に予約できるのに、メンバーシップも何もないでしょ。そもそもジャケットを着ていっても、受付が終わったら使わないでしょ。玄関に入るときの通行手形ですか?」となるわけですね。

 このメンバーシップのマナー論議は、尽きることがありません。

 というわけで、今後のメンバーシップのあり方を考えてみます。やはりネットなどでお客さんを集めている倶楽部は、やり方を変えるのが望ましいと思います。これにはいくつかの方法があります。

(1)ビジター客はまったくの別扱いにする
 ネットなどで集めたビジター客には、ジャケット着用を強要しない、というのはどうでしょう。服装もパブリックコース並みに緩和し、短パン使用時のショートソックス着用や、カーゴパンツの着用も認めるのです。

 他に、ポロシャツの裾をズボンの中に入れるなど、基本的なマナーはそのまま励行してもらいます。

(2)平日のみパブリック扱いにする
 内容は(1)と一緒で、平日はうるさく言わない。けど、土日などメンバーが多い日は、メンバーシップのルールに従ってもらう。これは、わかりやすいです。

 メンバーシップの月例競技や理事長杯などのイベントも、たいがい土日ですから、そこだけメンバー天国にすればいいのです。客の入りが悪いコースの平日は、メンバーもほんと少ないですし。

 そもそも、大半の社会人が平日ゴルフなんてしませんから。土日の優先予約があって、競技も土日にあるからメンバーになるのです。そこを汲んであげましょう。

(3)セミパブリック宣言をする
 カントリー倶楽部の名前はそのままにして、誰でも普通に予約できますと宣言すればいいのです。さすれば、みんなが気軽にゴルフができて、敷居も低くなって結構なことじゃないですか。

 そうやっているコースは、それなりにあります。表面上はメンバーシップをうたって、セミパブリック宣言はしていませんが、予約受付のところに「誰でも気軽に予約できます」と書いてあったりします。

 あとは、ネットメイトみたいな、無料の登録制にしているところがあります。


服装などのマナーに関しては倶楽部側がどう対処するか、でしょうね...

 何はともあれ、これだけゴルフが大衆化していると、堅苦しいことはナシにしてほしいと思うのです。

 昔、名門コースでカーゴパンツを履いていたら、「なんだ、その格好は!」と、知らないジジイに怒鳴られました。また、そこそこの名門コースでも、ポロシャツの裾を出していたら「服装が乱れているなぁ。ポロシャツは中に入れろ!」と、大声で文句を言われました。まったく面識のないオヤジにですよ。

 コースの職員やフェローシップ委員から注意されるならわかりますが、他人が怒鳴るのは”恫喝”です。

 尾崎豊も言っているじゃないですか。

「自由とは、何ぞや?」ってね。

 尾崎世代として、校舎に石を投げたくなる気持ちがわかるよなぁ〜……って、ほんまかいな。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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