たすきを受け取り走り出す駒大の7区・工藤

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 ◇第94回箱根駅伝復路(2018年1月3日 箱根・芦ノ湖〜東京・大手町、復路5区間109・6キロ)

 6度の総合優勝を誇る駒大が11時間15分13秒で12位に終わり、9年ぶりにシード権を逃した。7区に回ったエースの工藤有生(なおき、4年)が、5キロすぎから左足に力が入らない症状に襲われて失速。何とかたすきをつないだが、1時間7分7秒の区間14位に沈み、往路13位からの逆襲はならなかった。総合優勝11度の順大も11時間14分39秒の11位で、10位の中央学院大に14秒及ばず涙をのんだ。

 状態が万全なら、エースが集う2区に起用されて当然のランナーだ。工藤の1万メートルの自己ベストは、チームNo・1の28分23秒85。ユニバーシアードのハーフマラソン銀メダリストの7区での出場には理由がある。昨季から左足に力が入らなくなる症状に悩まされていた。この日は「絶対にできる」と言い聞かせてスタートしたが、5キロ付近で左足に異変が起きた。

 「足が抜けてしまった。力が入らなくて空転する感じ。地面を蹴れない。ベストな状態で走りたかった」

 フォームは大きく乱れ、表情がゆがむ。拳で何度も左足を叩いても、スピードは上がらない。腕時計の重みすら耐えられなかったのか途中で外し、何とかたすきをつないだものの、まさかの区間14位に沈んだ。チームは12位で、シード権を獲得できる10位の中央学院大とは48秒差。9区の堀合が区間2位、10区の伊勢が区間4位と好走しただけに、工藤のブレーキが響いた。

 原因は不明。エックス線撮影でも何も写らず、はり治療など考えられる処置は全て行ってきたが、今季に入って症状は頻発した。本番を前にした昨年12月中旬、またも左足がうまく地面を捉えられない。1キロ3分5秒程度で走る練習はできても、1キロ3分を切るようなペースで推移する2区での起用は不可能だった。大八木監督は「7区なら大丈夫かと思ったけどね」と険しい表情を浮かべた。

 工藤は今春の卒業後、実業団の強豪・コニカミノルタで競技を続ける。「休養しないと駄目でしょうね。社会人に行くまでに治さないといけない」と指揮官。「何としてでも状態を良くして、頑張りたい」と声を絞り出した失意のエースは、「予選会からのスタートになるけど、諦めずに上を目指して頑張ってほしい」と後輩にエールを送っていた。