適用される4つの行為が定められている

 危険運転致死傷罪は、飲酒運転など無謀な運転で、悪質・重大な死傷事故を起こしたドライバーに厳罰化を求める声が高まり、2001年の刑法改正で新設された法律。危険運転致死傷罪が適用対象になるのは下記の通り。

 1. アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

 2. 進行を制御することが困難な高速度で、又は進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為

 3. 人又は車の通行を妨害する目的で、通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 4. 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 以上4つの行為が定められている。

 これらの行為に抵触して、重大な死傷事故を起こした場合は、死亡事故で1年以上20年以下の有期懲役、負傷事故で15年以下の懲役が科せられる。2017年6月に起きた、東名高速での夫婦死亡事故でも、容疑者は過失運転致死傷ではなく危険運転致死傷罪での起訴となった……。警察庁の資料によると、2016年の危険運転致死傷罪の適用件数は年間704件。

 その内訳は、

・信号の殊更無視 184件

・アルコールの影響 249件

・制御できない高速度 18件

・薬物の影響 35件

・妨害目的 14件

 となっていて、アルコールの影響が全体の35%以上を占めている。とはいえ、危険運転致死傷罪の制定後、飲酒運転による死亡事故は激減し、2008年には制定前年の4分の1(およそ300件)にまで減少したので、その影響は小さくはない。

 厳罰化すれば、悲惨な交通事故を根絶できるわけではないが、年末年始は飲酒運転の取り締まりも強化される時期。一人ひとりの安全運転への意識を高め、ルールとマナーを守って、加害者にならないことは当然として、被害者にもならないよう、最大限の注意を払うようにしよう。