「Thinkstock」より

写真拡大

 日に日にクリスマスが近づいてきており、今年はどこのフライドチキンを食べようか漠然と考え始めている方も多いのではないだろうか。

 昨今はファミリーマートの「ファミチキ」やローソンの「Lチキ」といったコンビニ総菜も人気だが、やはりフライドチキンの王道といえばケンタッキーフライドチキン(以下、KFC)。昨年は12月23〜25日の3日間で59億2000万円の売上を記録したとのことで、これは前年比107.9%という好成績だったそうだ。

 ただ、クリスマスシーズン以外にKFCを年間どれくらい利用しているかというと、筆者の場合は片手で数えられる程度。看板商品の「オリジナルチキン」だけでなく、「ビスケット」や「クラッシャーズ」などのサイドメニューも好物なのだが、普段は不思議と足が向かないのである。昨年、オリジナルチキンを含む4メニューの45分間食べ放題キャンペーン(税込1380円)が期間限定で開催されていたときも、情報を掴むのが遅かったせいで参加を逃してしまった。

 しかし聞くところによると、大阪府のKFCららぽーとEXPOCITY店(吹田市)と小野原店(箕面市)では、食べ放題を通年で実施しているとのこと。そこで今回、ららぽーとEXPOCITY店を訪問し、実際に食べ放題を体験してきた。

●20組以上が待つ人気ぶり

 10月のとある日曜に筆者が降り立ったのは、大阪モノレールの万博記念公園駅。かの有名な太陽の塔を左手に見ながら2分ほど歩くと、三井不動産商業マネジメントが運営する大型複合施設「ららぽーとEXPOCITY」(以下、EXPOCITY)に到着する。全国的にも稀なビュッフェスタイルのKFCは、そのレストラン街の一角に店を構えていた。

 そもそもKFCはアメリカ発祥の企業だが、日本での記念すべき初出店は、1970年の大阪万博だったそう。EXPOCITYが開業する2015年11月のタイミングで、KFCにとって縁のある万博記念公園の地に錦を飾ったのが、この店舗というわけだ。

 そんなメモリアル店舗でも、まずは例によって、KFC創業者であるカーネル・サンダース氏のマネキンが入口で出迎えてくれる。他店舗との明確な違いは、マネキンの横に「順番受付・発券機」が設置されている点だろう。

 発券機のタッチパネルを筆者が操作すると、13時45分の時点で25組待ち。日曜の午後、さらにショッピングモールという場所柄もあってレストラン街はどこも混雑していたが、KFCは特に盛況のようだった。

 ただ、実は筆者は事前に「EPARK」というサイトを使い、14時に入店できるよう予約を取っていたのである。午前0時に日付が変わった瞬間から当日分の予約が可能となり、希望の時間帯を優先的に指定できるため、来店を検討する際はぜひとも参考にしてほしい。もっとも、EXPOCITYには300以上の店舗があるうえ、水族館や映画館などのエンターテインメント施設も充実しているので、予約せずに来店しても時間潰しには困らないかもしれない。

●5種類あるチキンの部位

 14時をわずかに過ぎてから席に案内されると、スタッフから「ご来店は初めてですか?」と尋ねられたので、うなずく筆者。テーブルの上にあらかじめセッティングされていた、カーネル氏のイラストが描かれた銀色のバケツについての説明があり、こちらはチキンの骨入れに使うらしい。

 また、土日祝のランチタイム(11時〜17時)は80分間の食べ放題が1980円(税別)で、ドリンクバーの利用もその料金に含まれているが、アルコール飲み放題は1250円(税別)の有料オプションだと聞かされる。アルコールは不要である旨を伝えると、スタッフが伝票に制限時間を記入し、ついに食べ放題がスタートした。

 まず手始めに、ドリンクを取りに行く。サーバーには「ペプシコーラ」や「なっちゃんオレンジ」などのサントリー飲料が名前を連ねていたものの、揚げ物にはサッパリしたドリンクを合わせたいと思い、一旦スルー。奥のほうにルイボスティーのピッチャーを発見したので、そちらをグラスに注いだ。

 なお、リプトンのティーバッグも用意されていたが、冷たいお茶が飲みたい場合、ここのKFCではルイボスティーしか選択肢がないようである。それゆえ人気が集中しているのか、同じ場所にあった野菜ジュース2種に比べ、ルイボスティーのピッチャーの消費スピードは露骨に目立っていた。

 さて、次は肝心の料理だ。目玉のオリジナルチキンは保温庫にずらりと並んでおり、トングで自由に取ることができる。保温庫の上部にはキール(むね)、リブ(あばら)、ウイング(手羽)、ドラム(脚)、サイ(腰)という各パーツの特徴を示すポップが貼られていたが、筆者のような素人には正直、判別が難しい。じっくり見定めようにも、80分という制限時間は刻一刻と減っていくのだ。

 一般的なKFCではチキンの注文時に部位の指定はできないと聞くし、この食べ放題店舗ではせめて、解説スタッフが常駐していてくれたら、と願うのは贅沢だろうか。そんなことを考えながら、「これがウイングだろう」と目星をつけたチキンを様子見で皿に取り、他の料理も見て回ることにした。

●よくも悪くも、ビュッフェはチキンから目移りするほど多彩

 さすがのKFC食べ放題でも、「脂っこいものばかりはちょっと……」と肉オンリーを食すことを敬遠する客が多いのだろう、サラダバーは広めに展開されている。KFC定番の「コールスロー」はもちろん、別のコーナーには「温野菜のソテー」や「ソーセージと野菜のソテー」といった料理も見られ、野菜補給にはうってつけの環境が整っていた。

 一方、とにかく炭水化物をガッツリ食べたい人向けには「ガーリックライス」や「スパイシーチキンカレー」があり、他にもパスタ類や「フレンチトースト」「発酵バターミニクロワッサン」のようなパン類も豊富だ。

 デザートはカップゼリーや一口サイズのケーキ、アイスクリームなど全14種類。とりわけアイスクリームには、「塩大福」に「スイートポテト」という珍しいフレーバーがラインナップされており、絶対に味見して帰ろうと決意したものである。

 KFCでの食事自体が久々だった筆者は、オリジナルチキンを主体に攻めるつもりでこの店舗を訪れていた。しかし、これだけ多種多様な料理を目の前にすると「肉はほどほどに、バランスよく食べねば」といった意識も働いてしまう。

 骨を取る手間を面倒に感じたこともあり、オリジナルチキンは結局5ピースしか食べず、途中からは「カーネルクリスピー」(骨なしチキン)や「カーネリングポテト」も食すことに。これらもKFCのレギュラーメニューだが、定番からは微妙に外れている印象なので、むしろ新鮮な気分で味わえたかもしれない。

 そして個人的には、店内ののんびりとした雰囲気に調子を狂わされた感がある。来店客はファミリーやカップルが中心で、食べ放題だからといってガツガツしている客は皆無。幼児が座る席の前にチキンが盛られたプレートを置き、記念写真を撮っていた母親の姿には、ついつい和んでしまったものだ。

 食事のペースを今ひとつ上げられなかった筆者は「いろいろ食べたはずなのに、もっと胃に入る気も……」と、やや不完全燃焼気味に制限時間を迎えることとなった。

●コスパ第一ならEXPOCITYより小野原店に行くべき?

 80分間で1980円(税別)という料金設定は決して安くないだろうし、17時以降のディナータイムになれば、90分間で2480円(税別)に値上がりする。

 オープンからまだ約2年の店内は清潔で開放感があり、そこがKFCだということを忘れるほど居心地がいいのだが、他の料理には脇目も振らずオリジナルチキンだけを貪りたいなら、食べ放題を通年で行っているもう一方の店舗・KFC小野原店を利用するのがおすすめかもしれない。

 小野原店の「カーネルバフェ」はEXPOCITYのビュッフェより品数が少なく、チキンの部位を選べるシステムも採用していないが、大人は平日昼なら1450円(税込)、土日祝でも1650円(税込)という価格で食べ放題を楽しむことができる。

 この2店舗はさほど距離が離れていないため、店舗のプレミアム感を重視するのか、それともコストパフォーマンス最優先なのかなど、そのときどきのシチュエーションに合わせて使い分けてもよいだろう。
(文=A4studio)