映画「伊藤くん A to E」で、伊藤からストーカーのようにつきまとわれるBの女・野瀬修子を演じた志田未来/撮影=大石隼土

写真拡大

超モンスター級“痛男”に翻弄される4人の女性たちと、そして彼女たちの恋愛相談を脚本のネタに使おうとしている崖っぷち“毒女”の本音を赤裸々に描いた恋愛ミステリー映画「伊藤くん A to E」。公開を記念したリレー連載第3回は、伊藤からストーカーのようにつきまとわれるBの女・野瀬修子を演じた志田未来が登場。自身の役との意外な共通点や、伊藤を演じた岡田将生の印象などを語ってくれた。

【写真を見る】修子と伊藤くんには似ている?/撮影=大石隼土

■ 修子はもう少し頑張ったらいいのに

――志田さんは“自己防衛女”の修子を演じられましたが、彼女をどういう女性だととらえていましたか?

夢も恋も全部諦めているというか、はっきり言うと、女性としては終わっているなと思いました(笑)。自分の限界を決めつけているところもあって、とくに憧れるところもないですし、逆にもう少し頑張ったらいいのになと思わせる女性です。でも、自分にも少し似ている部分があって。私も家にいるときはすごくグータラしていますし、それ以外でも修子が山下リオちゃん演じる親友の真樹にべったり甘えているのは、自分も同じだなと思いました。とはいえ、私は修子のようにいろんなことを諦めていないし、常に前に進みたいと思っています。

――修子は伊藤くんに言い寄られるのをすごく嫌がっています。それは伊藤くんに対する近親憎悪みたいなものなのかなと思うのですが、志田さん自身はどう受け止めましたか?

今おっしゃっていただいたとおり、修子と伊藤くんには似ている部分があるんだと思います。だけど、修子自身はそれに気づいていない。だから、何となく「この人、嫌だなぁ」と感じているのかなと。あと、修子は自分のことだけで精一杯なので、伊藤くんに限らず、ほかの誰かに言い寄られても対処しきれないんだと思います。

――伊藤くんはモンスター級の“痛男”ですが、ビジュアル的には超イケメン。そんな彼に言い寄られたら、悪い気がしないんじゃないかと思うのですが…。

いや、修子的には100%煩わしい気持ちしかないと思います(笑)。多分、ほかの女性たちと違って、まだ恋にそんなに興味がないんじゃないでしょうか。

――映画では岡田将生さんが伊藤くんを演じてらっしゃいます。岡田さんの“痛男”ぶりに、現場では悲鳴が上がっていたそうですが、実際はどうだったのでしょうか?

怖かったです(笑)。岡田さんは身長も高いですし、上から目線で言い寄られている感じがして、圧迫感がすごかったです。でも、岡田さんが伊藤くんで良かったと思いましたし、言い方は失礼ですけど、岡田さんの“痛男”ぶりがあまりにもハマっていたので(笑)、自然と出てくる修子の気持ちもあったと思います。

――莉桜役の木村文乃さんとの共演はいかがでしたか?

木村さんとは日常的な会話というよりも、恋愛相談をさせていただく役柄だったので、先生と生徒のような感じでした。私のパートの撮影は、撮影がかなり始まってからだったので、その場の雰囲気に慣れていない中での撮影だったのですが、木村さんはそんな私をすごく引っ張ってくださいました。とても気配りのできる方で、本当にステキな方だなと思いながら、ご一緒させていただいてました。

――修子は恋愛相談をする側、莉桜はされる側ですが、志田さん自身、プライベートではどっち側ですか?

どちら側でもないです。いつも自分の中で解決してしまうことが多いので、誰かに相談することもあまりないです。私自身がプラス思考なので、いい方向に考えます(笑)。

――志田さんはドラマ版でも修子を演じてらっしゃいましたが、ドラマと映画で演じ分けはされたのでしょうか?

ドラマと映画では撮影の期間が少し空いていたので、切り替えはできたかなと。それに修子の場合は、彼女が住んでいる部屋がドラマのときと逆になっていたりしたので、そういう違いを楽しみながら演じていました。なので、全くの別物として捉えていたのですが、ドラマと同じセリフがあると、シチューエーションが違っていても引きずられてしまうので、それを忘れよう、忘れようと意識しながら演じてました。

――監督を務められた廣木隆一さんはリアリティー重視のお芝居を求められる方だと思いますが、今回ご一緒されてみて、勉強になったことはありましたか?

お芝居は引き算なんだよ、と教えていただきました。セリフ一つ一つにリアルを求めてらっしゃったので、感情を込めすぎないと言いますか、本当にその場で出てきた言葉をポンと発するような感じを大切に演じました。あと、現場のみなさんが廣木監督についていこうとされている姿がすごくステキだなと思いました。

――この映画には、【A】“都合のいい女”の智美(佐々木希)、【C】“愛されたい女”の聡子(池田エライザ)、【D】“ヘビー級処女”の実希(夏帆)、【E】“崖っぷち毒女”の莉桜(木村文乃)、そして志田さん演じる修子という5人の女性が登場します。あえて選ぶなら、志田さんは誰に近いと思いますか?

私は完全に修子です(笑)。でも、気になったのは、夏帆さんが演じられた実希かな。実希はかわいらしい部分もあり、映画の中でもしっかり成長されていくキャラクターで、女性としての魅力がステップアップされていたので、ステキだなと思いました。逆に、ちょっと嫌だなと思ったのは、“都合のいい女”の智美と、“愛されたい女”の聡子。木村さんが演じられた莉桜も、自分では気づいてないけど、何かに追われて生きているような感じがして、ちょっと生きづらそうだなと思いました。

――伊藤くんの「戦わない。だからリングになんてあがらない」というセリフが劇中にありましたが、伊藤くんのような“自分が傷つくことを徹底的に回避する”生き方をどう思いますか?

そういう人がいてもいいんじゃないかなとは思います。無理やりリングに上がっても心が折れてしまったら意味がないですから…。でも、私個人としては逃げる前に一回全力でぶつかってみると思います。その方が楽しいと思うし、そこから何かが見えてくるかもしれませんから。

――では最後に「伊藤くん A to E」というタイトルにかけて、自分の「A(愛らしいところ)」と、「E(痛いところ)」を教えてください。

おいしいものを食べるために頑張れるのは愛らしいなと思います。食べることがすごく好きなので、そのためにお仕事を頑張っています(笑)。逆に痛いところは、思っていることをすぐに口に出しちゃうところです。例えば、小さいお子さんが持っていたものでも、自分が欲しいと思ったら、「欲しいなぁ」と言ってしまったり。言った後に後悔することが多いので、ちゃんと直さないと痛い大人になってしまいそうで怖いです(笑)。(ザテレビジョン)