後半21分、梶村(右)がキックをチャージ、そのまま自分でボールを取ってトライを決める

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 ◇ラグビー全国大学選手権準決勝 明大43―21大東大(2018年1月2日 東京・秩父宮ラグビー場)

 明大は関東大学リーグ戦覇者の大東大を43―21で破り、1998年度以来、19季ぶりの決勝進出を決めた。代名詞の「重戦車」に代表されるスクラムでは相手に完敗も、7点差を追い掛ける後半にFWとバックス一体の攻撃で5トライを量産して逆転勝利。9連覇を目指す帝京大と対戦する7日の決勝(秩父宮)では、96年度以来、21季ぶり13度目の大学日本一を目指す。

 強いメイジが決勝の舞台に帰ってくる。後半に5トライの集中砲火で、終わってみればダブルスコアの完勝。13年の就任以来、常にピッチレベルで戦況を見守ってきた丹羽政彦監督は会見で「試合中に叫びすぎて血圧が上がり凄く頭が痛い」と前置きしながらも「後半はしっかり40分間アタックしようと。その結果、ああいう形(になった)」と振り返った。

 開始直後のキック処理でFB山沢がノックオン。見せ場のはずの自陣でのファーストスクラムだが、相手の圧力に屈してコラプシングを犯した。前半のペナルティー7回のうち、4回がスクラムという惨状。代名詞をつぶされたが、今年のメイジにはそれに取って代わる強さがあった。

 まずは後半12分にWTB山村がスピードと華麗なステップを駆使して約40メートルを走りきり、反撃ののろしを上げた。同19分にPGで勝ち越すと、2分後にはCTB梶村がターンオーバー、キック&チェイス、チャージを全て1人でこなしてトライ。報徳学園高時代に日本代表合宿に招集されたエースは、脚を負傷し病院に直行したが、指揮官は「最後の試合もチームを引っ張ってくれる」と期待した。

 今年度のチームスローガンは「Newメイジ」。エディー・ジョーンズ前日本代表ヘッドコーチの下で選手時代を過ごしたサントリー前ディレクターの田中澄憲氏をヘッドコーチに迎え、春からフィットネスを強化した。シーズン中も練習量を落とさず、SO堀米も「後半にたたみ掛けられたのはフィットネスが上回ったから」。後半の5トライ中、3トライは自陣が起点。相手を凌駕(りょうが)する運動量が最後にものを言った。

 「メイジには先人が作り上げた歴史しかない。新たな歴史をつくるのはここからだ」。今年1年、丹羽監督は92人の選手たちに語り続けてきた。アムラーや失楽園という言葉が世をにぎわせた時代以来の頂点に立ち、新メイジ時代をつくる。